pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

小説ものは読み終えるのも早い

 自分が好きなジャンルで好きな作家さんばかり選んだからですな。自分に合わない人だと、四苦八苦になりますからね。

 

昨日の海は

昨日の海は

 

  読んだのが文庫版ではなかったので。

 近藤史恵という方の作品は、自分にとっては苦みとか酸味とかの向こう側に優しさを感じるものが多くて、この作品は優しさのベールの向こう側に隠された家族・・・血族の暗部というか葛藤というか、憎悪の渦というのか、そんなものを感じます。

 個人の存在は自分よりも上世代からの恩恵だけでなく、負の財産というのも必然的に受け継ぐものであり、アタクシ自身も大なり小なり上の世代、特に祖父がメンテナンスしなかった血族の桎梏のようなものを眺めて、特に前半生生きてきた事になるので、なんとなーく、このわだかまりというのか、飲み下せないものというのか、そんなものを理解したりするのです。家族、血族から受けるものは恩恵だけでなく、憎悪や桎梏もあるのだと、実感できる人っているよね、たぶん。

 

名古屋駅西 喫茶ユトリロ (ハルキ文庫)

名古屋駅西 喫茶ユトリロ (ハルキ文庫)

 

 

 

  こちらは上述の作品と打って変わって血縁的には恵まれている方です。少なくとも曾祖母、祖父母との間には軋轢はなく、あるとすれば主人公が再婚した父親に対して、わだかまりがあるという感じ。日常的な謎解き系でして、ほんわか、ほっこり系ですね。最近最新刊が出たようですが、図書館で借りたのでそれは読んでいません。

 先行きどうなるのか気になるけど・・・買うかどうかは・・・本棚から溢れている状況だしなぁ・・・うーむ・・・

 

あとは野となれ大和撫子 (角川文庫)

あとは野となれ大和撫子 (角川文庫)

 

  以前にも読みました。宮内さんの作品はシリアスというか、心に切り込んでくる感じがするのですが、この作品もそういうところがあるのですが、爽快感が勝りますね。映像作品にすると、ちょろりと焦点がぼけてしまうような気もしないでもないですが(映像作品をつくる才能もない奴の言葉なのでキニシナイで)、アラル海跡地にできたという架空の国家のお話で、あのあたりにありそうな問題とか、ほっこりする話とか、女性だから下に見られるとか、そういう事もひっくるめて、前に向かって歩こうという人々の話です。

 読みたかったから借りました。いいよねぇ。にひひひ。