pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

一日遅れの大河

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第3回録画を1日遅れで昨夜見ました。全体にコメディ色が強い回でしたね。Twitterで学者さんが「源頼政は伊豆守ぢゃない」ってな事をつぶやいてみえて、なんぢゃろなと思ったら、あー、そういう事か。でもある意味仕方ない。『知行国主』って言葉、一般的ぢゃないし、説明するのもアレだからね。

 あと、義時くんは皮算用をしていますねぇ。あれだけで概算を出したのは大したものだけれども、まぁ、結果は来週以降のお楽しみですね。

 んで読み終わったもの。

 

 そういえば最近『下剋上』という言葉を歴史関係の書物であんまり見ないなぁ、と。んでこういう言葉にあんまり触れていない(と思う)著者の方が書いてみえるので興味を覚えましたが、端的に言うと、室町~戦国期に領地支配の矛盾を解消する為に、当主と筆頭部下が争い、筆頭部下が勝つと『下剋上』と言われると。んで『下剋上』が成功して以降、安定した支配を行いうるのは、主殺しを行わず追放にとどめる場合がほとんどで、主を殺してしまった場合、その多くは実行者は評判を落とし、袋叩きに遭い、滅亡するという。明智光秀もこのパティーンですね。

 つまり主の政策には不満はあるが、倫理として殺す程ではない、という事で、この場合、主に影響力、支持勢力があると巻き返しにあって泥沼の紛争になるという。戦国初期の紛争はそういうのが多いですかね。

 なんでもそうだけど、多数派工作は重要という事ですかね。あと何気に信長、秀吉はもちろんの事、家康も『下剋上』の達成者で、前者二人と比較して、どうも陰湿なイメージが家康に付きまといがちなのは、最終的に主家である豊臣家を体制に取り込む事ができず、滅亡させてしまったのが原因かも、と。

 自分も、関ヶ原合戦前後の家康は、なーんか好きになれないのですよねー。戦国期の頑張って生き抜こうとする感じの家康は好感が持てるのですが。

 あとは、斎藤道三一家の下剋上は、波乱万丈で劇的なので面白いですよね。一色義龍という名乗りが定着していないところとかも。

 

 実は自分は『御館の乱』についてくわしく知りたかったのですが、購入する本を間違えました。ポチッとし直したものは今朝届きました。

 「義の武将」という評価は、思い入れのある人がデカい声でそう唱えたからで、詳細に調べると他の戦国武将と言っている事は大差ないかな、と。あと、上記の『下剋上』でも父子二代の達成で、大変幸運であったとも書いてあって(主筋が断絶してくれたからもめ事がほぼなかった)、まぁそうだよね、と。家格上昇は山内上杉家を継承した事で達成されましたが、それにくっついてきた「関東管領」職についてしまったのが蹉跌。彼の本拠は越後であり、関東ではないから、どうしても自家に従ってくれた国人領主を支援、守護し切れないというジレンマ。同時代人からすると「頼りにならんなぁ」となる。

 もしも彼が継承したのが「関東管領」でなかったら、もっと楽だったかも知れませんね。あと短気で家臣が腫物を触るように接してくるので寂しいとか思っていたらしい。でも、まぁ、付き合うのは勘弁かなぁ・・・