pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

丸の内炒飯OL

 今現在の著者小泉悠さんのTwitter名を表題にあげてみました。はい。

 

 著者というか対談集なので厳密には著作ではないのですけれども、五月頃から六月、七月ぐらいまでの期間に識者との対談を載せています。読んでみると小泉さんよりも年長者との方との対談はお行儀が良く、同年代以下になると多少羽目を外している印象。羽目を外すというのは、話題が一般読者よりもマニアックな方向に流れるという事で、特に元自衛官芥川賞作家さんとの軍事マニアチックな話題が多かったです。正直、一番面白かった(軍事マニアまではいかないけれど、その手の話題が好きだから!!

 次に面白かったのは軍事評論家というか安全保障の専門家との話で、これが一番分量が多く、この方たちの中ではやはり開戦前のロシア陸軍の評価は高く、特にキーウ攻略に失敗した北部ベラルーシからの侵攻軍が、大した損害も出さずに撤退した事は高く評価しています。確かに撤退戦が一番難しいですからね。詳しい事は解りませんが、ウクライナ側に追撃する戦力がなかったというのも大きな要因かも。

 またそうやって撤退した精鋭部隊が五月の東部攻勢に振り当てられ、これがジリジリとウクライナ側を追い詰め戦線を押し上げていたので、ロシア軍侮れぬ、という事になるのですが、軍事評論家の印象だと何十年前のものだろうとロシア軍は大量の兵器を備蓄しており、火器火力は優勢だけれども兵力が足らない。プーチン政権が「戦争ではない」という建前を崩していないので動員できない為だということ。

 翻ってウクライナ側は最初から動員をかけており兵力では勝っているけれども武器が、火力が足らないという状況。

 それが八月から様相が変わってきて、西側の兵器操作に習熟した兵士が戦線に出てきたり、旧ワルシャワ条約機構諸国が保有していた旧ソ連戦車が供給されたりして、つまり不足していたウクライナ側の兵器が充実してきたと。加えて南部攻勢と同時に東部攻勢を仕掛けた事が大当たり・・・これ、ロシアの精鋭部隊ってもう数が限られているのでは・・・

 ただ九月末日の現在知っているだけで東部のウクライナ軍は攻勢を続けているけれども全体的に膠着状態になりつつある感じ。ロシア軍が本気を出していないという意見も判らないではないけれども・・・しかし訓練が不十分な兵士を前線に投入しても死者が出るばっかだけれど・・・これから秋の泥濘期は戦線が停滞するから、その間に訓練するのかなぁ・・・まぁ素人がアレコレ言うべきことぢゃないけれども・・・

 まぁこの戦争も決着がつくまで本当のところは解らないし、出てくる情報を眺めながら本当らしいところを考えるしかないですよね・・・