pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

生ぬるい・・・

 十一月と言えば、そろそろ朝晩は防寒を羽織ろうか、という季節の筈ですが、先週から夏日が続いていますね。これを書いている自分も長袖をまくっています。被服関係者としては初秋に寒くなるかならないかで冬物の売り上げが変わってしまうので、今年の秋冬はヤバい、という印象なのですが、肌寒くならないと防寒着なんて買おうという発想にはなりません。こればっかりは天候頼みですよ。

 まぁ暇って事ですが。

 という事は、まぁ読書もはかどり勝ちになります。ええ。んで読み終えたもの。

 

 最初は購入するつもりはなかったのですが、対談相手に現代中国研究者の方がいたので、そういえば今現在の中国って知らんな、と思い、購入しました。今年の八月末時点の話なので、ガザの戦争(戦争だよ)については触れられていません。

 あと、文藝春秋電子版で動画配信していた内容が多いので、高橋杉雄さんとの対談の半分ぐらいは、よーつべの無料配信で視聴済みであったので知っている事ですが、音声で聞くのと、起こされた文章を読むとでは、また異なりますね。

 目新しいというか、初めて知ったのはやはり中国関係の話で、習近平という指導者から個性というものが見えない、ということ。前代までの集団合議制度から一見独裁になったというに見えますが、習近平という個人の素顔は何一つ見えず、官僚的であるといいます。また中国においては、やはりというべきか、農村部の支持を獲得していれば国家体制は安泰という意識があり、特に中国共産党の成功記憶がそれを裏付けているといいます。

 そうだよな。都市部で蜂起していた頃は失敗ばかりで、地方の農村を巻き込んで蜂起したら、ついには中国大陸を統一したという歴史があるので。だから都市部の人間がいくら反対運動しようと執行部は深刻になっていないと。事実、反対運動は尻つぼみだし。

 意外に農村部は習近平を高く評価し支持しているらしく、その理由というのが習近平の父親が文化大革命時に失脚し、習近平を含む家族が農村部で苦労した体験を持っているので自分たちの気持ちを理解していると信じているから、らしいです。それに中国政府執行部は「貧困は撲滅された」と宣言しましたが、実態として日本ほど隅々まで経済発展の恩恵がいきわたっている訳ではなく、まだインフラが整っていない地域も多い訳で、彼らを見捨てていないというアピールもあって「貧困に後退させない」みたいな事を言っているようです。

 ウクライナの戦争の話なのに、中国のことばかり書いていますねぇ。まぁ戦線は膠着してしまったようですし、西側の軍事援助のテンポが滞りがちである事が戦争長期化の一因ではないかと言われているし、当初ロシアにとって長期戦は望むところとみられていたけれども、政治状況としてそうでもないとか、本格的にロシアが戦時体制になるのはプーチンが来年三月の選挙で「禊」を済ませてからでしょうし、しかしそれまでにプーチンは世論の支持を得られるのか、なーんかガザの方に情報リソースが取られているので、最近の状況は解らないのがもどかしいですね。

 もちろんガザはヤバくてヤバい状況で、停戦への道筋がまったく見えないところがヤバさの深さを物語っているのですけれどもね。