pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

読了した~

 ようやく読み終えました。

 

 まず価格で誤解しました。三千六百円+消費税・・・これはソフトカバーだろう、と勝手に解釈。まぁワンチャンハードカバーか・・・とかも思いましたが。いや勝手にソフトカバーは二千円台だよなぁって思っていたから。んで実物が同送の漫画本のカバーを曲げているのを知って、ああ、ハードカバーの破壊力よ、と思いましたね。

 しかしそれだけのボリュームはありまして、将軍足利義教の命により一色義貫を誅殺した功により一色氏守護管国の一つ若狭の守護に安芸武田氏が補任されたところから始まり、朝倉義景期の越前朝倉氏に幼主元明が連れ去られ事実上滅亡し、本能寺の変で没落するまでの期間を全て網羅しています。この一冊で若狭武田氏の全てが解る!!・・・はい。

 歴史オタクでもニッチなところなんですけれども、室町期から戦国期に生き抜こうとする守護の足掻きが解りますね。もちろん上手くいかなかった方で(あ

 まぁそもそも七十年あまりの一色氏支配を否定するところから始まり、在地支配の確立に苦しみ、ということは家臣の収入を保証、そして恩賞を与える事がなかなかできず、つまり求心力に四苦八苦し、故に軍事指揮能力が低く、戦に勝てない大名という(うわぁ

 若狭という国が農業生産力、というよりも交易中継地点として重要で、日本海から京への物流の中継地点として豊かだったという点で、戦国期はなかなか辛い。京が一大消費都市として発展するなら物流の増大とともに豊かになりますが、戦乱期にそれを望むのは酷というもの。それでも何とか戦国大名として整備し軌道に乗りつつあったところへ武田信豊という当主が色々アレにしてしまいましてね。詐欺まがいの手法で家臣の給米を確保しようとしたり、戦国中期だというのに遠く離れた安芸国の支配権を確保しようと、自力でなく他家の力を借りようと画策したり・・・まぁ失敗するんですけれど。挙句に長男を差し置いて、その弟を跡継ぎにしようと家中を分けてしまい、内乱したら力弱まりますわな。

 そもそも若狭武田氏って親戚の甲斐武田家に比べて武人、軍人というよりも宮廷人という方がいいぐらい、文化的素養と公家社会との交流、社交場としての犬追物などの武芸と、実践的なものよりエンターテイメントとか娯楽とか、そういうものが得手という感じで、若狭を得たのも将軍義教のお気に入りで暗殺を実行した結果得た報酬って感じ。この手の人って中央権力が強力だと立場が強くなるけれども、弱くなると弱くなるという感じで、将軍権力が衰えた後、主導権を握った細川政元と協調関係に入り丹後攻めを手伝ったりしてもらっても勝てない。無理してなんとか丹後一郡を確保しても自力保持が難しく、援兵に頼るばかり。

 こういう戦国期のやられ役の実態を知ることって重要なんですよね。強さの秘密よりも何故負けたのか、何故滅んでいったのか、という理由を探る方が、生きていくためには必要だと思う。失敗を避ける為にも。