pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

も一つ戦争が始まった

 比喩ではなく、アゼルバイジャンアルメニアの、『軍事作戦』が昨夜始まったと。ロシアの軍事力が弱体化した、介入がないと判断したアゼルバイジャンソ連解体時にアルメニアに奪われたと判断している土地を『奪還』する為に仕掛けたみたいです。これが三度目。今まではロシアの介入で水入りしていたようですけど、今回それはないし、アルメニアが期待できる外部勢力って、他にないよね?ロシアの安全保障体に属している他の国に、アゼルバイジャンやその背後にいるトルコと事を構える覚悟のある国ってないように思えるし、ロシアの軍事力で均衡を保っていた他の場所でも戦いが勃発しそうな感じです。地獄の釜がまた開いたなぁ・・・

 という時事ネタで始めましたが、読み終わった本は特に関係ないです。タイムリーにそんな本に巡り会うのは稀です。

 

 江戸時代の幕府役人に就職する武士階層の実態、って感じの本です。就職といっても幕府だけでなく主家の存在する武士は『家禄』という家付き収入があり、戦時に参戦する義務がある訳ですが、ありていに言えばそれだけだと警備員さんみたいな仕事だけ。暇。それ以上の収入を得ようとすれば役職につかなければならない。それはどういうシステムなのか、という話。

 五代将軍綱吉が館林藩主から就任した時に、結構な数の家臣を引き連れて幕府にやってきたので、そこから職にあぶれる人が増えてきたと。この波はもっかい、六代将軍家宣が就任した時にやっぱり甲府藩から家臣を連れてきたので、人があぶれるあぶれる・・・さすがに八代将軍吉宗は自重したけど、それでも二百人ぐらいは増えてる。これは吉宗が紀伊藩からきて、紀伊藩は存続しているから、そんなに家臣が移ってこなかったというのもあるらしいけど。

 しかし幕府としてはやる気のある者、有能と見なされるものはすくい上げたい。それで本人の勤務状況、政策意見上申、そして先祖がどんな功績を立てたか、罪を犯した者はいないか、何代前から将軍直臣である、そんなところを調べて取り立てるシステムにしたと。

 つまり譜代家臣を大切にしながら新規にも門を開いていますよ、という感じ。理想的に感じるけれども、なかなか幕府のやり方はこすっからく、結果が出れば法令違反は黙認するけれど、幕府に不利益になりそうな展開になったら、黙認していた法令を表ざたにして処分するという、えげつない事もしていると。

 結果として江戸幕府は保守的だけれども、有能な人材を吸い上げ運営していく組織になったという感じ。足高制については具体的書いていなかったので、訂正されたのか、述べるまでもないのか、良く解らないですねー。