pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

音楽でポチッとな

 ZIP-FMで、いい、いい!!って言う人がいたので気が付いたら録画していました。

 

 音楽、それもJAZZを志す青年たちの物語、というやつで、こういう話って成長して成功しないといけないお約束があるから、物語的は流れが読めて安心なんですが、皆が皆才能あふれるではなく、ドラムは友人のサックスに感動し、全国大会を目指した高校時代のサッカーと比べて緩くお遊びの大学の部活が物足らなく感じていた男が、超絶技巧派のピアノや表現力の友人に食らいつき、そのレベルに追いつこうとしているキャラなのが良かったです。

 後日譚的なインタビューで、そいつが音楽とは無関係な営業職についているところからして、映画の物語の結末を悟ってしまうのですが。彼にとって音楽は、サックスとピアノの二人と演奏するのが楽しくて大事であったのであって、ドラムを続けるのは二の次だったって事だよなぁ、と。

 一番びっくりしたのは、ラストの演奏。諸々の事情でサックスとドラムだけでライブを成立させるって、最後の最後は腕一本しか演奏に使えないピアノとのセッションって、すごいなぁ。JAZZの可能性って、こんなにあるんだ、と。

 なのでサウンドトラックのCDをポチッとしてしまいました。はい。

 

 日曜日にポテ・・・ポトフ・・・なんでもいいや、を作っていた時に読み上げました。一時間半弱火で煮込む時間があるので、分厚い本を読むには最適ですよねぇ(え

 ローマ帝国東西分裂の理由を、残っている資料から代表される人物の、当時の評価を洗い出し、そこから突き詰めていくって感じ。読んでいる最中は話がどこに向かうのか判らなかったのですが、結論を読んで腑に落ちました。何故東ローマ帝国が『ピザンツ帝国』として、その後何百年も生き残ったのか、何故西ローマ帝国が自壊するように滅んでいったのか。

 最後の全ローマ単独皇帝とも言うべきテオドシウス一世の治世は、反乱鎮圧や外敵との戦争で、首都不在が常。留守をあずかる筈の副帝は彼の幼い息子たちで統治能力はなし。その状態で東のコンスタンチノープルでは能力、実績第一の官僚や宦官が勢力を伸ばす・・・裏を返せば彼らが政府を組織し、運営していたという事で、中央集権官僚制が成立しつつあった、と。

 しかし西のミラノ(ラテン名忘れた)や古都ローマはそうならず、ミラノは軍人、それも『蛮族』系でローマ文化に寄せようとして、結局仲間入りを拒絶された人々が運営し、古都ローマは絶大な財力を持ちつつも排他的で利己的になってしまい、かつてローマが強大ななった理由、他者を自らに内包し、取り込んでいくという能力さえ失った、気位ばかり高くて統治能力を喪失した元老院貴族階層が主導権を握っているという・・・どのくらい政治力がないかというと大消費都市ローマで賄う穀物供給さえ、皇帝に懇願して産地からの輸送を命じてもらわなければならないほど。支配領域で第一の穀倉地帯である北アフリカ、現在のチェニジアあたりはイタリア半島と目と鼻の先なのに。

 つまり次世代へとつなぐ統治機構を整えつつあった東ローマと、統治能力の喪失を指をくわえて見ているだけで、それに融合しようとした軍人たちの西ローマでは、まぁ滅亡するのはどちらかといったら、解りますわな。

 ちょっと西ローマは現代の日本を彷彿とさせるところがありますね。自分も含めて。いや昨日、ファスナー修理の案件がお客さんからきたけど、メーカーに確認したら新品を買う方が値段も時間もかからないって現実が返ってきましてね。二十年ぐらい前から電化製品は修理するより新品買う方が時間もお金もかからないって感じになりましたが、衣服もそういう段階になったんだなぁ。こういう状況を知ると「モノづくり立国(笑)」って気分になりますね。もう日本でつくれるものなんて、数えるほどしかないのではないかしら。修理する為の部品をストックしてない、できないって事は、その製品は日本国内でつくっていないって事だものね。

 なんかね、この当時の元老院貴族たちって、古文や漢文教育を不要って言っている「愛国者」の姿とだぶるのですよ。自分たちの根幹を否定しているのに「愛国」って、根無し草に見えるのよね。