pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

ずいぶん後回しになってしまた。

 結構前に読み終えていたのですが、日記を書く分量を考えていたら後回しになっていました。昨日書いてもヨカッタかも。

 

 個人的には百合はともかく、ホラーとか不条理ものって好みではないのですが、ここまで続くと「これってファーストコンタクトものになっていないか?」と思えてきました。正体不明の『裏世界』の存在が人間の恐怖を介在してコミュニケーションをとろうとしている?という話になってきたので。

 ま、好みぢゃないのになんでここまで読み続けているのかというと著者の宮澤さんが冒険企画局に属していて(今も属しているのかしらん)、ボーキのTRPGが結構好きで、宮澤さんの別名義(魚蹴)で参加されたリブレイが面白かったから、こういう感性の人が書いた小説は面白いに違いないとばかりに購入を続けているという次第。今のところ外れてないのでいい判断だた(そんな大層なものではない

 んで登場人物の女性たちの自分探し部分と恐怖がリンクしている限りでは、そこまでは思い入れがなかったのですが(オイ)、得体の知れないホラー事件の連なりから、目的が存在するコミュニケーションものになると、俄然続きが気になる訳で(『三体』や林譲治さんのファーストコンタクトものを読み続けたせいかもしれない)、次巻が楽しみになるという。あ、マンガとアニメは見ないです。この作品は小説でのみ楽しみたいので。さーせん。

 

 まるで関連がないけど読み終わっているので。『光る君へ』放映前の発刊ですから、便乗出版という訳ではありませんが、自分の興味は『光る君へ』がなかったら向かなかっただろうなので、これも大河ドラマ効果かな(自意識過剰だな

 物語と日記を使用して説明されています。んでどちらかというと男性貴族、公達の服装の方が印象に残っています。だぶん『蜻蛉日記』を使用しての説明が印象に残っているせいで、藤原兼家妾である藤原道綱母が夫である兼家の装束を用意する場面が興味深かったので。中世は庶民は核家族で夫が農作業による食料を確保し、妻が機織りで衣服を用意する事で最低限の生活ユニットを形成する説を知っていましたが、身分が高い、つまり自ら労働しなくても衣服を調達できる階層でも、家族の衣服の調達は妻の役割と知り、少し感動したりしています。そして道綱母がその事を誇りをもって用意しているってことか。たぶん道綱母の美的感覚が優れているから、そして儀式に必要な装束の準備って、かなり直前にならないと言い出してこないから、迅速に準備できる有能な彼女が頼りにされたのだろうと。悲しい事にその記述をする場面では兼家と道綱母は夫婦関係ではなくなっているのですが。んで装束を依頼される事もなくなったと思ったら、兼家が現在通っている女から依頼が回ってきて(それだけ道綱母の準備する装束は評判になっていたのか、兼家が自慢していたのか)、やれるか、ボケー!!と突き返す話とか、本人はかなりムカツクでしょうけど、エピソードとしては面白いなぁって。

 『蜻蛉日記』って兼家について、すっごいラブラブで推しで、夫婦関係でなくなった後もそれが続き、息子道綱への期待もその延長になっている感じらしいですね。大河ドラマでは晩年まで兼家と関係があったように描かれていましたけど、まぁアレは主人公とのたった一度の邂逅に重みをもたせる伏線の為かなぁ、とか思ったりしたり。

 『枕草子』もそうだけど『蜻蛉日記』もなんかの機会に読んでみようかしらん。