大河ドラマを放映されていた時も気にしていなかったけど、まぁお札になったら読んでみようかと。
実家が今でいう実業家にあたる豪農で、「自分たちを稼いだものを、なんで武士にやらにゃならんの?」という事を親に問い詰めたというエピソードからも、なかなかにやんちゃな性格の方。時代の風潮に載って尊王攘夷を唱えるも、ヨーロッパの科学や軍事に触れたら「こりゃあかん」と学ぶ方向へ転換。なりゆきで一橋慶喜に仕えているので幕臣とも言えるけど、維新後は民間の実業家、起業家に徹しています。主体的に関わったもの、実際に経営に携わったもののみならず、出資しかしていないものも含めると、まぁ呆れるぐらいの会社を興していますね。関わっていない分野ってあるのかな?
あ、この人、お札の図柄に起用されるの、今回が初めてぢゃないみたいですね。文字通り自分の銀行の銀行券の図柄に使われている。それも生前に。どんだけやねん。
動かしている資本の規模の割に生活は質素な感じで、まぁ好きなんでしょうね。経営、経済に関わるのが。しかし同時代の名を成した男子連中同様に女性関係は飽きられるほどだったようです。
政治家への転向も進められますが、民間にある事にこだわっていたようです。まぁ民需が強くなければ国が富みませんし、歪な軍事力強化には反対だったようです。が、まぁ『時代の子』ですから、中国とか朝鮮半島には上から目線で発言するので「おいおい」とか思うのですけど。アメリカとの交渉も、ボタンの掛け違いがありますね、やっぱり。
とはいえその頃はもう晩年ですからね。高橋是清と違って政治家にならなかったから畳の上で死ねた、という事かも知れません。
あ、分野違うけど読み終えたからねじ込み。
シリーズを読み終えて思ったこと。ミステリーというよりも、自分では何ともならない事をなんとかしようとする少女と、なんともならない事を理解していても、それでも足掻く少女を愛でる少年の物語って感じですかね。
物語主題が読んでいる間にあちらこちらに散らばった感じで、この物語自体がもどかしい青春そのものって感じ?
結局のところ階段島は成人し、年老いていくつれて人が捨てていったものたちの居場所である、という認識しかなんて、捨てられた人格を魔女が拾い上げ、そのままでいいと慈しんでいるイメージ。これは、メディアミックスが難しそうだな、と。小説だから受け入れられるけど、他の表現だと「わからん」って事になりそう。
自分は、その空気を愛でています。なので物語の結末とかあんまり気にならなかった。自分にとっては物語を追う小説ではなく、登場人物たちが醸し出す雰囲気、空気が好きなのだなぁ、と。
そんな感じでした。

