pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

読み終えられなかった

 基本的に情報量が多い小説なのですよ、『大日本帝国の銀河』という作品は。それに1939年?1940年?当時の情勢やら人々の考え方やら、SF的な知識だってまだまだないですし・・・そやな。『宇宙戦艦ヤマト』やら『スタートレック』やら『スターウォーズ』やらの影響力で、現代人は宇宙の大きさというものを把握している人が多いけど、当時はそんな知識は一般的ではないし、戦時中の人々は一般人でさえ「天文学なんて何に役に立つの?」ですもん。最近の風潮を捉えたセリフとも言えますがね。

 しっかしネーミングセンスが面白いですね。オリオン座あたりからきたから「オリオン太郎」って自称する地球外人らしい人物。最初は火星の方がええやろって「火星太郎」って名乗っているけど、天文学者に質問されて矛盾を指摘されると、あっさり変えるんだもんなぁ。ファースト・コンタクトものだけど、互いに共通の文化認識がないから、本名名乗っても発音できないし意味ないってのがねー。

 今日中に読み終えられたらいいなぁ。

 もう一つ読み進めているのはイングランド女王エリザベス一世の評伝・・・というよりも物語かなぁ。書き手が登場人物の考えを断定的に書いているから、物語としておいた方がいいでしょう。良いなと思うのは、イングランド国内やエリザベス一世の生涯だけでなく、国際関係や彼女の父母の時代から書き始めているところで、彼女の役割、考え方、というものが今まで読んだものよりも解り易く明確かも。

 そういえばエリザベス一世と対立するスペイン国王フィリペ二世って神聖ローマ皇帝カール五世の息子だったよなー、とか、フランス王アンリ二世が事故死してからフランスは宗教対立が噴出したんだよなぁ、とか、対応を一歩間違えばイングランド宗教戦争が巻き起こっていたかもしれないと考えると、エリザベス一世としては、どちらの側にも決定的につくことはできず、生涯独身を通さざるを得なかったというのが解ります。即位宣言から言っているんですよね。母親が離別の上処刑された身の上であり、つまり有力な後ろ盾が親族はおろか法制的にもない(ご本人は嫡出子と言っていますが、離婚、処刑で母の結婚がなかった事にされているので印象として庶子というのはぬぐいきれない)人ですから、どうしても諸勢力のバランスの上に君臨するしかない。

 イングランドの諸王には『絶対王政』を志向する人もいましたが、そういう人はだいたい退位とか処刑とか、そんな感じで失敗に終わっています。逆に国内の諸勢力の調整役、議会が成立してからは議会のバランスを見ながら治世を送った人の方が評価が高いのですよ。それはエリザベス一世を無意識にでも習ったせいなんですかねぇ?

 あ、千字こえた。こちらは分厚いので今日中には読み終えられないと思うけど、楽しいです。