pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

一つは読み終えました

 それに昨日買おうと思った漫画がなくて、来週発売だと思っていたものがあったので、その感想も。

 

大日本帝国の銀河1 (ハヤカワ文庫JA)

大日本帝国の銀河1 (ハヤカワ文庫JA)

 

  1939年、つまり第二次大戦が勃発した前後に技術レベルで数年先行した四発爆撃機が日本、ドイツ、イギリス、ソ連に飛来。迎撃に出た戦闘機やら軍艦やらを撃墜、撃沈させながら着陸したいいけれど、一機のみ撃墜された日本では二人の搭乗員のうち、一人が殺害され、複数の戦闘機、軍艦が撃墜、撃破されたその他の国々では、それぞれ二人づついた搭乗員たちは皆殺しに。

 彼らは当初は火星から、天文学者から矛盾を指摘されるとオリオン座方面からやってきた、と言います。現時点では製作できない爆撃機を持ってきている事から、まぁ嘘ではないだろうけれども、はい、そうですか、と信じる事はできない。また『オリオン太郎』と名乗る彼も地球人(というより当時の日本人)の常識からはかけ離れた思考であるので、意思の疎通がどことなくボタンの掛け違い気味。でも姿が日本人的(他の国では、その国の住人っぽい容姿)なので、ならばこちらの常識も通じるだろうと安直に日本人側も考えがち。

 こういう齟齬をどうやって乗り越えていくのか、というのが林譲治作品のテーマなのかなぁ。架空戦記ものには興味がないのですが、ファーストコンタクトものという事で読み始めましたが、林さんは戦時中の日本軍の兵站について書いた解説書も出しておられるので、当時の、つまりダーウィンの進化論が「環境適応」の結果ではなく「優等性」と信じて他者や他の生命を見下していてる考え方、産業の構造、国際経済も理解していらっしゃるから、そんな現代から見ると『頭の固い』人々が未知の地球外知的生物に対してどう反応するのか、という事を書いているのが興味深く、かつ、「そんな事をゆーてる場合か!?」とやきもきしたりして楽しいです。

 どーいう物語になっていくんだろうなぁ。次巻は四月ですか。楽しみです。

  あら、『北北西に雲と往け』の五巻が出てこないわ。まぁいいや。

 四巻冒頭で行方不明になっていた、人の懐に潜り込むのが得意で、自分の意志を押し通し、それが通らないとなると、何故か関わった人が急死するという、剣呑な能力を持った主人公の弟が、五巻でひょっこり帰ってきました。なんか四巻の書き方だと、それっきり行方不明になりました、みたいで、再度の登場はないです、みたいな印象だったので残念だなぁと思っていたのですけれど、これを読んだ時は「そうこなくっちゃ」と思いましたね。こんだけ疑惑に満ちた人物を行方不明で終わらせたら、もったいないもの。

 んで、なんか順応してくれたようでしたが、やはり容疑者として疑われている身の上、警察に連行されていきましたよ。

 どーなるんでしょうかね。次巻はやっぱり一年後ですかね。とても楽しみです。