見たのは先週金曜日の晩です。
フランス映画です。元ネタは『ダヴィンチ・コード』の作家さんの作品を版元が翻訳するのに翻訳家を地下室に軟禁状態で仕事をさせた事らしいです。へぇ。
そのあたりの切迫感とか良く解らないので、あんまりリアリティのない設定だよなぁ、面白いけど。世間と隔絶状態の数人。その中で事件が起きるって、密室事件ですよね。にやにや。
映画冒頭とその後のエピソードで、だいたい前半でやらかした奴が想像できましたが、そこまでたどり着くドラマがよひですね。いくつも明かされる謎が仕込まれていて、それが徐々に暴露されていくのがミステリー好きにはたまらぬかも、とか思いましたが、ちょろりとみたマスコミ評価は高くない。ある意味出版界の闇みたいなものを描いているせいですかね。
ストーリー的に好きだったのは、ある意味師弟愛というか、二種類の師弟関係が描かれた作品だったなぁ、と。一方は破滅的結末に至り、一方は信頼関係を築けていたというのが。気持ちよいくらい嫌な奴はイヤな奴でしたなぁ。そいつが最後はコテンパンにされてしまうのも、爽快感はないけれども、ある程度留飲が下がるし。そしてセリフの少ない人物にも感情が宿っている演出も好きでした。
荒唐無稽に感じるところもあるけど、映画だしね。
WOWOWで録画して見ていたので、こぼれ話的なものが聞けたのですが、音楽を担当されていたのがパリ在住の日本人の方で、最初は三か月で終わるだろうと思っていた仕事が一年半にもなった、と。その理由が、曲を納品すると監督はべた褒めするけれど、翌日になると「いいと思ったけど、ここがねぇ・・・」とリテイクが繰り返されていき、「フランス人には納期という観念はないのか?」というぐらい製作期間が延びていったからだそうです。
監督が完璧主義だからですかね?そのおかげで、あるアクションシーンの音楽は、そのシーンにピッタリはまりこんでいると解説者のお二人は絶賛されていましたね。
録画して何度も見るべき、と評価されていたのですが、自分が見ているかぎり理解できなかったのは、秘書の女性が土壇場になって反旗を翻す理由が、ちょっと分からなかったのです。あれは口汚くののしられていた映像を見せられたから、なのかなぁ・・・。
なんにせよ面白い作品でした。終わりが留飲を下げるけど、やっぱり切ないのですがね。