pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

好奇心で読み始めたけれど

 WOWOWで2016年に放映されたドラマ『沈まぬ太陽』をちょろりと見たので気になって、原作小説を借りて読んでいるのですが、これが、ツライ。

 冒頭が巨大組織が属している個人の人生を全力で潰しにかかっているエピソードで、そもそもの理由も主人公が自発的に始めた事ではなく、上司というか上の世代に無理やり押し付けられたようなものであり、やるからには誠実にやらなければと取り組んだら、今度はその上司を含めて幹部から総睨みになり、社会的な抹殺まで視野に入っているような展開が進められていくという・・・しかも盟友は裏切るし。

 文章的には読みやすくて解り易いだけになお辛い。

 あと、こういう人っているよなーっていう人間の狡さとか汚さというか、上世代の問答無用の押し付けとか、ああ、こういうエピソードを大なり小なり体感すると、人間なんてろくでもないな、とか思えてしまうのです。どこかにほっこりするエピソードはないかと探しても無駄なので、息抜きに『よつばと!』読みましたよ。はぁ、救われる。

 この手の小説には話が判る存在で力を持っている奴は、だいたい裏があると相場が決まっているみたいです。今のところ爽快感のある奴は登場していません。もしかしたらそうなるかも、という奴はいますが、大抵無力です。たぶん意図的でしょうが、政治家や高級官僚、財界幹部という肩書の存在に反感を持つようにできています。

 解っていたけど、うう、救いがないエピソードが続くという事が、ここまで予想できるとは・・・たぶん、登場人物に感情移入ができれば良かったのでしょうが、やはりねぇ、厄介ごとを押し付けられる過程が・・・自分なら「やりたくないものを本人の承諾なしに、就任したと公表するのは詐欺ではないか!!」とあくまで突っぱねますね。そこから修羅場とかなら受け入れる事ができたのかも知れないけれども、それを受け入れてしまうのが、どうにも。

 舞台となっている1960~70年代や作品が発表された1990年代のメンタリティなら「上世代の無理強いに逆らっても無駄」というのは広範囲に同情されるのでしょうが、それでも、その時代でも自分は「イヤだ」を貫いたかも知れません。無理強いで請け負った事がうまくいった試しはないし、やるからには絶対的な協力を要求しますね。それが請け負えない人間は、厄介ごとを押し付けるだけの無責任な人間ですから、信用する事も、そもそも交際する値打ちすらない。だいたい無理強いを仕掛けてくる人間が日本を敗北に導いた原因の一つだと思っていますからね。上の世代の甘い言葉なんて、裏が取れなければ信じてはいけません。世代マウントで思い通りにしようとしてくる奴なんて、無思考の頼りにならない存在ですから。

 ああ、ネタがないからって、こんな事書いてはいかんよねぇ・・・