pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

親子もの

 別に日曜日が母親の一周忌法事だったから、という訳ではありませんが、読み終わったものがそんな感じなので。

 

  タレーランとかフーシェと絡めたナポレオンの評伝・・・みたいなものを読んでからは、ナポレオンの『天才性』って相対的にしか見れなくなって、どちらかというと「こいつ、仕事できるけど、あんま部下の事を思いやらない『ワンマン社長』みたいだな。付き合いたい人間とは思えない」という感想しかなくて、特に興味もなかったのですけれども、そういえば息子の二世とか、甥の三世、その息子の四世って、良く知らないよなー、と思い借りてみた次第。

 ナポレオンの息子二世は、母方がハプスブルグ家なので、もうフランスとは縁切りさせドイツ貴族として成長させるよう骨を折っています。しかし自分の恋愛に夢中な母親はともかく、『フランス人の皇帝』『英雄』の息子の自覚を持ってしまった二世は、軍人になって、父親の跡を襲おうとするのですが、肺炎で若くしてあっさり死去してしまいます。

 三世はナポレオンにとって義理の娘と弟の間の男子で、二世在世中は彼を助けてボナパルト一派の復権に尽力し、彼の死後はボナパルト家家長(みたいな立場)に立ち、一族の政治的復権を画策。選挙で大統領になり、クーデターで皇帝になり、基本的に今日のパリとか、英仏協調路線とか、つまり近代以降のフランスを政治的に規定したにも関わらず、そして自身が望まなかった普仏戦争を受けてたち、敗北してしまい、プロイセン軍の捕囚になってしまったが為に、体裁が悪いからか評判が悪い人物で、ちょいと気の毒な感じです。彼がイギリスに亡命している最中はまだまだ復権の目はあったようですが、老齢からか病死してしまいます。

 四世は三世が皇帝になってから誕生した生まれながらの皇太子で、十代で運命の暗転を経験します。そして父の死後、フランス皇帝の後継者である事を強く意識し、また『軍事の天才ナポレオン』の呪いみたいなものを背負い、政治家としての片鱗を見せながらも軍務につくことを拘り、むりむりイギリス軍に参加した挙句、不運な遭遇戦で命を落とすという・・・そういうテンプレート運命なんですか?

 他にもね、なんかね、遺言の文言を巡って家長はオレ!!みたいな争いが五世以後のナポレオンズでは起こっているようで、今となっては政治活動よりも実業家、文化的なナポレオンたちの業績評価とかに一族は活動の重点を置いているようです。

 来訪者としての王者、みたいな扱いのナポレオン一世なんですけれども、王族ソサエティへの参入を試みたりして、なんとなく血縁サークルに入れなかったイメージなんですけれども、一族の末裔たちは、なんとなーく現代的なお貴族活動をしているようです。まぁ三百年程度経過すればね、上流社会に加わっていれば、それなりにね。

 もう一つ書くつもりでしたが、いい感じに埋まったので、それは明日に回します。