pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

二十年越しに見ました。

 はい。キル・ビルです。

 

 公開されて評判が立った頃は、あんまり見る気が湧かなかったのですね。シリアスではないよな、ギャグだよな?と。当時は割と真面目なものが好きだったので。

 その気持ちが変わったのは『ブレッド・トレイン』とか見て、そうか、ハリウッド映画はファンタジーであり、ここにあるのはハリウッドから見たファンタジー日本なんだから、そんなもん面白ければ気にする必要はないんだ!!と開眼したから。んでWOWOWでいつか放映されるだろうと待ち受けて、案の定放送したので録画して見る事に。

 そのファンタジーヤポンとして見ると、クウェンティン・タランティーノという監督は結構誠実に日本の事を表現しているというか、美術的な事はともかく俳優さんへの演出は、監督がヤクザ映画や時代劇が好きだった事が反映されていて違和感とかあんまり感じませんでした。逆に千葉真一さんの所作が美しいとか、改めて気づく事もありましたね。自分、千葉真一さんの映像作品、気にして見た事なかったので。893の親分衆の一人に国村準さんと麿赤児さんが出ているのにも驚いた。つまり、日本で活躍している俳優さんを起用しているのが。栗山千明さんがGOGO夕張役っていうのは知っていたけど。他にもちょいちょい見た事ある俳優さんが出演していて、なんか嬉しくなりました。どうしてもハリウッド映画って外国で活躍している、つまり日本ではあまり知られていない方か、「アジア系なら一緒だろ」みたいな感じで中国系の人が起用される事が多いので。

 殺陣もエピソードも好みでしたね。自分は拳で長尺で殴り合う(腹とか顔とか殴り合っているのに、双方何度も立ち上がって殴り合う奴)アクションがあんまり好きぢゃないんです。急所に決まっているのに、そんなに立ち上がって元気に殴り合えるかなぁ?とか思ってしまうし長いのはダレる、と思っているので。キル・ビルのアクション、勝負を決めるシーンはだいたい一瞬の、つまり達人芸という演出でなされているのが自分的には好感。特にビルとの決闘シーン。互いに名人服部半蔵(これを耳にした時も変な感じがしたので二十年前見なかった理由の一つ)の手になる日本刀を持ち、指呼の間で、ほんのちょっとの、たった一つの奥義の差で勝負が決まる展開が胸熱でしたねぇ。

 なんというか、全体に「ダサ恰好いい」「なんとなーくコメディ感も漂っている」ってところが、翻って見ると「カウボーイビバップ」に似ているかも知れない。つまり好みの世界だったって事ですかね。年食ってから見てヨカッタ作品でした。