pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

お約束に勘づいてしまった

 まぁ散々書いている事なんですが。

 

 読んだシリーズ長編が四つ目ともなれば、この物語の、あるいは作者の癖が見えてくるもので、主人公が「嫌な感じ」を覚えた人物は、だいたい後ろ暗い事を抱えている。その中には、あるいは大部分は尊大で傲慢な聖職者が含まれる。必ずアイルランドとローマ両カトリックの対立が潜んでいる。とはいえ話の分かる人間もいる。

 面白く思うのはキリスト教に帰依しながら、古代からのアイルランド習俗、法律、宗教にも理解やら郷愁やらを感じていること。まぁアイルランド法の高等弁護士なんだから当たり前かも知れませんけれども。でもアイルランドの法律を語りながら旧約よりも新約聖書の記述を引用するところなんか、少し違和感を感じたり。この人、ほんとにキリスト教徒なのかな?まぁ自分がイメージするキリスト教徒とは異なるって事なのかも。

 事件はかつて異教の中でも反社会的だった教団の本拠であった場所に立っている修道院で首無しの女性の死体が発見された事から始まります。その修道院長の要請でやってきたフィデルマですが、時代なのか、登場人物の個性なのか、法律の専門家を呼びながら自分に都合のいい結論を期待するなんて、まぁまぁ・・・

 あとはこのシリーズって究極的に男女の、家族、親族のトラブルを取り上げがちよね。それが売りなのかな。

 このシリーズの小説、買い置きはまだありますが一旦お休みして戦国武将列伝にかかりました。

 

 後半エピソードに出てきた清和天皇后として陽成天皇を生むことになる藤原基経妹、高子がいい性格している事が判明。この漫画、『応天門の変』を描いて終わると思っているのですが、陽成天皇即位後の天皇とその貢献である母后高子が政権首班である基経と対立した挙句、退位させられるエピソードを知っている身からすると、このキャラクター性を何処で生かすのかなぁってのが関心のあるところ。

 どう料理するんだろう?

 

 てっきり三巻ぐらいで終わる話かと思っていたら、意外に長いし謎は解けていないところもあるし、ホラージャンルらしいけれども、人の汚い面と美しい面が万華鏡のように表現されている気がするので、それをぼんやりと愛でているって感じの漫画です。自分本位で身勝手で、自分さえよければって表現が多い中、思いやりのある人や、自己中なのにたった一つだけ相手を思いやるというシーンがあったりと、まぁそういうところから目が離せない訳でして。次巻は何時になるのかなぁ(あんまり本筋エピソードとかは気になっていない。オイコラ