題名関連の本を借りる事ができたので、それらを読了したら感想を書こうと思っていましたけれど、ネタがなくなったので読み終わった分から順次書いていこうかと。
平安時代は平和な時代・・・というお花畑さんには申し訳ないけれども、都周辺ではともかく、関東、東北、瀬戸内などでは反乱騒ぎは起こっているし、小規模な小競り合いは畿内周辺でも起こっていました。んでこの本は外国勢力が対馬、壱岐、大宰府に襲来し、最終的には撃退できた事件の事を中心に、当時の日本の対外意識、軍事制度、そんなところを論じています。
白村江の戦いで唐新羅連合軍に大敗して以来、日本は大陸勢力、特に新羅に対して蔑視と恐怖を持っていたようです。互いに「うちんとこの方が上ぢゃあ」みたいな主張をしているから新羅と頻繁にやり取りしている訳でもないし、唐の勢力が衰えてからは遣唐使も派遣していない。僅かに渤海とはやりとりしていますが、これも渤海が対唐、対新羅関係から日本と修交する事が外交的に利益になるという発想。
その渤海が滅び遊牧民の契丹が勃興すると、渤海の地にいた半農、半猟生活をしていた女真が圧迫され、彼らが活路を得る為に朝鮮半島に略奪行を繰り返していたと。
新羅に変わって契丹などの勢力に対抗して建設された朝鮮半島国家、高麗は女真=刀伊の略奪行にも苦しみ、日本とも修交しようとしますが、大陸勢力に疑心暗鬼で不安な日本側は引きこもりモード。そんな最中に女真=刀伊が船団を組み大規模な略奪行を行い、朝鮮半島を荒らした後、対馬、壱岐を襲ったと。その知らせを受けて大宰府の長官だったかな?藤原隆家、彼らのボディガードみたいについてきた「やんごとない武者」在地の藤原純友の乱の鎮圧に活躍した武者、国衙官人、つまり役人たちが中心になって兵力を結集、撃退したと。これは徴兵による律令制の軍事制度が機能しておらず、武力を武士に依頼する平安末期とも異なる過渡期とみられます。
また藤原隆家は国境を意識し、それを越えて高麗領域までの追撃を禁じています。退却した刀伊は態勢を立て直した高麗側に殲滅されますが、その時、拉致されていた日本の人々は高麗側に助けられ後に日本に送り返されますけれども、高麗側は「君らが可愛そうとかぢゃなくて日本との関係が悪化すると困るから助ける」とはっきり拉致被害者に言っているのが興味深いですね。
互いに関わりたくないけど敵に回したくないって意識があるっていうのが。
あ、千字こえた。今回はここまでです。月曜日は違う朝鮮半島の歴史の本について書こう。