絶賛読書中でござります。『小市民』シリーズの最終巻はゆっくり読んでいます。いや、だって最終巻だし、小鳩くんと小山内さんの関係がどうなるのか、怖い気もするし興味あるし、恐る恐る読んでいるので凄くゆっくりになっています。二人が過去と向き合いつつ、自分たちに降りかかった今の事件と向き合う感じ。
一昨日読み・・・ページを繰り始めたのが江戸時代の加賀前田藩の儀礼に関する論文。豊臣期は大納言とかになっていたけど江戸時代は参議に落ち着いたのね。まぁ徳川家中心の秩序になっちゃったし、豊臣期の大納言は秀吉の妻と養女の実家という姻戚関係がもたらしたものだし。御三家、御三卿って同族の宗家が充実してきたら婚族の扱いは下がるよなぁって感想ぐらい。
そして、こう言っては何だけど、読めば読むほど、知れば知るほど腹の立つ、日中戦争から太平洋戦争の歴史の本。一冊は太平洋戦争の指揮官たちの挿話からコマンドカルチャーに絡むもので、本人の資質の問題もあるけど、個人的資質ではどうにもならない劣勢や失敗をスケープゴートにされちゃったとか、そういう話が載っています。もちろんガダルカナル島でできたばかりの日本軍の飛行場を占拠したはいいものの、艦隊が海戦で負けて一個師団で孤立したアメリカ海兵隊が、襲撃してきた日本軍を殲滅して海兵隊という軍隊のその後を決定づけた指揮官の話とかもありますが(これは日本軍の指揮官が、というよりも、海兵隊の指揮官が「優れた指揮官からこうする」と日本軍指揮官の思考を読み切った戦果と言える)、まだ三分の一ぐらいしか読んでいないです。
『ハルノート』という日本側を追い詰めたアメリカ側の外交文書に関する解説書・・・図書館で『ハルノート』で検索したけど二十年ぐらい前の新書が一冊出てきたぐらいでそれを借りて読んでいます。半分ほど読みましたが、ええっと日米双方が誤解と思い込みの連続で、こんなんでいいのか?という体たらく。特に日本は中央集権の行き過ぎというか、戦争を避ける対米和平交渉の出先機関である駐米大使の人選理由が「それでいいのか!!」って突っ込み入れたくなるほど。まぁ人選したのが松岡洋右って「俺、最高だから俺の話を聞け!!」って言う奴なので暴走しまくりなんですけど。そして悲劇的なのがアメリカ外交の政治顧問に同じような性格のホーンベックという男がいて、中国通であるけれど日本の事は実地には知らない(日本の新聞記事とかは丹念に集めていたらしい)、自分に不都合な情報は無視する傾向の奴が極東問題で幅を利かせていて、駐日大使館の情報もそんな基準で取捨選択しているものだからヤバい。
「絶望から戦争を挑んだ奴なんていねぇ」というのがホーンベックの言葉ですが、その思い込みで色んな国がやらかしてテロの標的になっているよな、とか思う次第。絶望したら人間は自分の命なんざどーでもいいから、相手に吠え面かかせてやりてぇ!!っていう心理があること、理解しないとテロはなくならないと思うけどナ。
ただ決裂直前まで日米双方交渉による解決を望んでいましたが、日本の方は軍部が「今後資源がジリ貧になるから戦争やる為に期限付きや」と交渉する外務省の手を縛っているし、アメリカ側は・・・なんか一度日本側への妥協案・・・日本が飲めそうな条件をつけた案を作成しているのですが、それを日本側に提示せず、問題の『ハルノート』になったようなのですよね。その辺の下りはまだ読んでいないです。
という訳で今回は途中経過の話でした。