pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

またバタバタしそうだし

 今日は事務方でバタバタしそうなので、とっとと日記を書いてしまうですよ。

 まずは『鎌倉殿の13人』第二十話。義経グッバイ回ですね。なんか沁みるのですよ。田中泯という舞踏家を藤原秀衡に配した意味が、物凄く理解できた回でしたね。策謀家として才能を開花させていく義時(本人は無自覚というか、仕事だからやっている感じ)、戦争だけが取り柄の童として描かれた義経、彼を愛し、意地や誇りを通した静、同じように彼を愛し覚悟を決めさせた里、義経の首桶を前にして一人でそり死を悲しむよりなかった頼朝・・・毎回ガンガン攻めてくるなぁ・・・義経の『鎌倉攻略作戦』が新田義貞の作戦が参考になっているのはご愛敬だけど。

 頼朝が義経の首桶を前に嘆くシーン。たぶん義経と初対面の抱き合ったシーンとの対比をする為に、つまりスムーズに首桶に抱き着くために頼朝に正座をさせたのだろうけれども、あれ、たとえ当時の風俗と異なっていたとしても、死者に対して板敷にもかかわらず正座で相対したのが、頼朝の義経に対すると敬意と、彼自身の孤独を表しているようで、こんなに孤独な頼朝ってかつて表現されただろうか、と考えたりしたり。

 来週は奥州合戦、つまり頼朝の伝説づくり回ですね。楽しみですね・・・

 そして読み終わったもの。

 

 全四巻のダークファンタジー作品かなぁ、と思って読みました。謎解きというよりも、ある妄執に憑りつかれた一族の悲劇、みたいな。動機がね、自分が推理ものに求める種類ではなかったので、そんな感じにとらえましたね。詳述トリックの存在はなんとなく疑っていたし(そしてその通りだた)、ただ館シリーズの演出者とも言える中村青司という男の原点という位置づけがされている事が意外でした。ん?これはシリーズ収束へ向けての伏線なのでしょうかね。あと作家先生・・・毎回探偵役という訳ではないんですね。まぁそっか。今回は登場するわけにはいかないんだから・・・おおっと、これ以上はゆえませんなぁ。ネタバレになるから。

 今日本屋に行けたら、続刊購入するですよ。巻数は三巻?作数はあと二作ですよ、このシリーズ読み終えるまでね。

 まぁ明日の感想はまったく別ジャンルものになるでしょうがの。今日のマンガ新刊が購入できれば、の話ですけれども。いや、今夜自宅で読んでいるものを読み終える事ができれば、か?はい、ムリムリ千文字超えました。

やっぱり読み終わったものがなーい

 今読んでいるのが図書館から借りたものは別として、購入した本だと綾辻行人さんの『暗黒館の殺人』なんですけれども、これ、全四巻もあるんですよ。今読んでいるのは三巻目。第二の殺人が行われたのですが、未だ道半ばって感じ。惨劇は終わらないし、館ものお定まりの閉鎖空間は解除しておりませんし、館に住まう一族の秘密も、うにゃうにゃしていて良く解らん。というか少しづつ焦らすようにしか教えてくれない。まぁ気長に読むしかないですわい。探偵役もそういえば館に到着していないし・・・

 そんな訳で、千文字ノルマをこなすほどの話題もなかったので、昨日の緊縮財政しちゃう経営者を批判することの続き、というか今度は弁護する方向で。

 といっても会社に現金ため込む理由なんて自分には一つしか思いつかなくて、敵対買収に対抗する為、ぐらいなんですよね。バブル崩壊後って資金力のない企業がそういうのをやられていたような覚えが。ほりえもんが一世を風靡していた頃ってそんな話が多かったかな?と。でも企業が敵対買収に対抗するってというのは、その会社風土に属した人々を守る為、平たく言えば終身雇用などの日本的会社風土を守るみたいなところがあったような気が。欧米的なドライな契約社会への恐怖みたいなところがあったと思うけれども、現在の日本企業も終身雇用や年功序列は上層だけで、一般社員でその恩恵を受けている人ってどれだけいるんですかね?会社の資金力を強めたところで、それを有効に活用している会社ってどれほどあるんですかね?前向きな投資に使いこなせている会社って、どんだけあるのかな。

 銀行の業績が良くないという事は、銀行からお金を借りて投資する人が少ない訳で(それよりも利率が低いから儲からん、というのもある)、以前は銀行に勤めているって、ちょっとしたエリートイメージなんだけど、今の自分には銀行マンって「帳簿バカ」っていうイメージが強くて、帳簿上の収支を黒字にすれば実際の現場がズタボロになっても問題ないと考える人って思うようになってしまた。

 もちろんそんなダメな銀行マンは少数派なんでしょうけれども、ダメ部分は拡大されてイメージさせていく感じ。そして、そんなダメな財政家イメージは財務省へとイメージされて、必要な資金を現場に投入しないで、使途不明な莫大な金をどこへ使ったんだ?それを教育関係に回すとか考えないのかな。

 つまり、端から見ていると投資すべきところに投資せず、使途不明のブラックホールに資金を溶かしているようにしか見えず、こんな〇本なら滅亡しても仕方ないかなぁと絶望したり。あ、いかん。暗くなってしまった。そうこうしているうちに千文字超えたから今日の分はおしまい。来週は感想文が書けるといいなぁ・・・

バタバタしております。

 日記を書くタイミングを失いかねないでした。刺繍屋さんが来たら、またバタバタする予定なので、この僅かな間隙をついて日記を書かなきゃならない~、と思うのですが、ネタが・・・ネタが・・・読み終えた本は漫画で、あ、またこの作者さん、打ち切りみたいな終わり方している、という切ない感じなので、書くのはやめておこうと。はぁ。

 んぢゃ何を書くべきなのかしらん。

 完全にタイミング外していますけれども、知床観光船の沈没の話ですかねー。

 世の経営者はコストダウンに命を賭けているみたいなんですが、安上がりにしているとこって、働いている人の様子や設備の様子を確認しないと怖いよね、と。一番最初に削りにかかるのが人件費で、そして安全に関係するもの。毎日の支出に関する人件費を削れば劇的に収支が変わるし、いざという時にしか使わない安全に関する出費は無駄としか思えなくなる。

 ところが万が一っという事態に対応できるかどうかが組織にせよ、共同体にせよ重要になってくる訳で、経験の浅い安い人材や、万一に備えていない安全保障して破綻するという。

 あと、高度経済成長の時期って、割と社員の給料をそれなりに出したところが生き残っていったイメージがあるのですよね。そうしないといい人材が集まらないし、給与を補償すれば彼らは消費者として自社を含めた様々な製品、サービスを消費し、経済を回す原動力になる。好循環に乗った会社が多かったから、経済成長が長期にわたって行えたとも言える訳ですが、今の大手企業の経営者には、そういうもう一つ上の視野を持っていない、近視眼的な人が多いのかも知れない。

 自分の稼業は制服、作業服を商っているのですが、こういうものは会社の福利厚生意識の一環であり、実際の購入は決算で利益を圧縮したいタイミングが多いというのも事実。会社の税率があがれば節税対策で購入してくれる可能が出る訳ですが、法人税率が低ければ、そういう機会も減る。現場の働く人手も減る傾向にあり、すぐになくなる訳でもないけれども市場としては縮小傾向。家族で回しているから何とかなっているけれども、人を雇って商売している同業者は厳しいよね。

 今の内閣は給与をあげる方策に転換したというけれども、具体的に何をやるのか見えてこないし、とりあえず問題定義を改めたぐらいで、次につながるのかどうなのか、というところ。結局のところ観光船社長のように緊縮財政ばかりしておけばよいという経営者ばかりだと景気が良くなる筈もなく、経済規模が縮小する傾向は変わる筈もない。好景気が消費の活性化ならば、消費を刺激する仕掛けを考えないと、日本は縮小し消滅するスパイラルを抜けられないってことだよねー・・・なーんて事を考えたりしました。

 明日は何かしらの感想が書けるかしらん・・・

酒を飲むと食べ過ぎる

 解ってはいますが葡萄酒ボトル一本干すにはつまみが必要な人なので~。昨夜はKFCを四ピース+コールスローM+ポテトMをはじめ、トマトビスク風カップヌードル+キュウリとワカメとカニカマの酢の物+ジャーマンポテトを少々+ヨーグルトという布陣でした。いつもはカップヌードルではなくパスタなんですが、カップヌードルの方が分量少ないからか、KFC四ピースという無謀も酒の力で平らげる事ができました。はい。食べすぎです。必然的に下り気味・・・いつまでも学ばない奴・・・

 そして読み終わったもの。

 

 時代、地域を追って状況と九州各地に残された城跡の解説がされています。一次資料の絶対量が少ないせいか、他地域では盛んな戦国期の研究がいまいち多くない・・・というか、江戸時代の編纂物や軍記物をメインにせざるを得ず、なんかどうも納得できないというか・・・なので九州地方の戦国時代の事が少しでも判ればいいなぁ、というつもりで読みました。収穫は、筑前豊前の国衆は身近な大勢力につくことを拒否する傾向にあるように見えます。大友氏への反発が、機会を得る度に噴出しているのはそういう事なのか?その為に北九州はあんまり安定しない。

 龍造寺家の急成長も、そんな北九州の不安定さが原因みたいですし、龍造寺隆信敗死で龍造寺家の権威、指導力が一気に凋落した訳でも無気力化した訳でもないらしい、と。秀吉と龍造寺政家の関係が研究されたら判明するのかなぁ。なんか龍造寺家ではなく鍋島家を選択した豊臣政権の思惑が解ると、大名家として鍋島家が成立した理由が解るかも。なんか一筋縄ではいかない印象。

 島津家の事は、いい研究報告があったからそれを踏襲されていますね。

 あと、あんまり詳しくないけど畝状空堀群という城の作り方は北九州の秋月氏が多用した方法らしく、どういう意図があったのか、判然としないけれども一つの癖として解りますですね。上空から俯瞰すると山城の裾に縦に何本も何本も執拗に溝が掘られているように見える。面白いですね。

 

 最近はオスマン・トルコとは呼ばないらしいです。オスマン帝国はトルコ民族の国家というよりも、イスラム教徒の国家というよりも、オスマン家が統御した地域というニュアンスが強いので。

 時代によって異なりますが、オスマン家の民族性も母方が奴隷である場合が多いので非トルコ人、非ムスリムの場合が多く、つまりヨーロッパ系。奴隷を教育してオスマン君主の家臣として要職に据えた時代が長いので、つまり支配層は非トルコ人であり改宗ムスリムの場合が多い。

 それから「酒飲みダメ息子」のイメージが強いスレイマン一世の息子セリム二世ですが、それまでの創業、先頭に立って働かないとアカン父祖と異なり、後方で部下を監督する立場になった君主の役割変更がなされた最初のオスマン君主だったようです。そして最盛期と称されるスレイマン一世の評価も変わり、セリム二世以後が組織的に完成された時代、つまり安定期だと評価されるようになったと。第一次大戦前夜までオスマンでは民族主義が前面に出る事はなく、オスマン国家とイスラムの下での『平等』で上手く機能していたみたいです。あ、制度疲労的なシステム齟齬は起こっていて、それでヨーロッパ列強に対して劣勢になっていきますがね。

 近代の考え方がオスマンを破滅させたとも言えますが、現代のトルコにおけるオスマンの評価も否定的なものから肯定的なものへと変化しているようで(トルコ共和国の建国はオスマン国家の否定、トルコナショナリズムによるものだったので)、現職大統領エルドゥアンはオスマン君主的な大統領を目指しているのかも・・・でもイスラムの下での『平等』がトルコナショナリズムと整合するのですかね?単に権威主義的な体制になるのですかね?お手本にしていたロシアがああなっているからなぁ。どうなるなぢゃろ?

意外に・・・

 よくある反動ですが、忙しい日の翌日は、めっちゃ余裕があるというのもありがちな話で、本日がそうです。お昼過ぎに刺繍屋さんが荷物を持ってきてくれれば、話は変わりますが・・・そんな余裕があると日記を書くことを忘れそうになりました。忙しいと、日記を書く時間を捻出しないと!!って使命感があるのですが余裕があるとそういう事も忘れがち・・・忘れそうになっていました。

 んで読み終えた本。

 

 ようやく新九郎も将軍義尚側近に取り立てられましたね。その前に今川家の家督継承争いでは、曖昧な部分を有利にする為に、なんとか幼い甥っこ今川龍王丸に家督継承の将軍お墨付きがもらいたいところなんですけれども、この物語の伊勢新九郎くん一家は、大御所義政の覚えがよろしくない上に、龍王丸の父義忠が幕府の思惑を超えて遠江に侵攻していたので評判が悪い。状況が、つまり現在今川家家督を引き継いだ小鹿範満側が幕府の不興を買うとか、彼を支える部外勢力の力が弱まるとか、そういう展開になると道は開けるのですが・・・ま、それにはまだまだ時間が必要なんですよねー。太田道灌扇谷定正に謀殺されて、山内上杉家扇谷上杉家が戦争する長享の乱が始まり、つまり範満くんを支える外部勢力が、それどころではない状況になるのを待つしかないです。

 たぶん本編はこれから大御所義政と将軍義尚の確執。将軍たらんと頑張る義尚の葛藤と挫折がメインに語られるのでしょうけれども。だって義尚っちは新九郎の上司ですからのぉ。あと新九郎、美濃に退去する足利義視に「人の上に立つべきお方ではない!!」って野次を飛ばしたけれども、これは彼の息子義材が将軍になった後のクーデター『明応の政変』で新九郎が細川政元側に立って行動する事を踏まえての事ですかね。

 いずれにしても次回が楽しみです。

 

 ついに太平洋を渡り現在のフィリピンまできましたね。現在のフィリビンはスペイン→アメリカ植民地だったところが中心なのでキリスト教国ってイメージですけれども、この当時は海上貿易で富を得ていて、その付き合いで東から広まったイスラム勢力が強いみたいです。そして強か。スペインとの争いで学術的盟友を失った彼の運命やいかに。以下次号。そんな感じでしたね。

 そういえば自分、昨日『鎌倉殿の13人』の事って書いたかな?こんなにすれ違って、憎みたくないのに争う羽目になった頼朝、義経兄弟って、あんまり見た事ないかも知れません。ああ、後白河法皇の『天下第一の大天狗』というあだ名を目一杯拡大解釈したキャラになっていますからねぇ・・・久しぶりに「全部大泉のせい」というフレーズが「全部後白河のせい」に変わった感じです。後白河と丹後局平知康の「自分勝手トリオ」はどこまで続くのかなぁ。来週も楽しみですね。義経の破滅が近づいてくる・・・

仕事が溜まりルラ

 金土と町内の旅行だったので、金曜日の仕事が月曜日に一部残っております。そのせいで午前中はバタバタしておりました。そしてこういう時に限って来客もあり・・・ぬー。

 予定表は渡されていたけど、まったくどういうコンセプトの旅行なのか存じ上げなかった町内旅行。行ってみてようやく、富士山を全周囲から眺めるバス旅行と理解しました。しかし金曜日の静岡、山梨両県は雨・・・この方向に富士山があるとガイドさんに教えられても灰色の空ばかりで、なんともかんともでした。お宿は富士山温泉というデカいホテルが一軒だけある温泉地。リピーター率が高いとの事でしたが、確かにホテルの敷地内、屋内でほぼほぼ繁華街の全てが入っているような施設ですので、引きこもるには最適なのですが、客室からの眺めはほぼほぼ富士山に全振り。つまり灰色の空しかない。

 料理もライバルがいない事が裏目に出てレベルは・・・うーむ・・・ここ十年日本産葡萄酒が良くなったという話は聞くけど、自分好みの葡萄酒にはなかなか出会えず、甲州ワインはレベルが高いという話を聞いたものですから、ちょろりと期待していましたけれど、自分が頼む前に日本酒とか古酒とか注文されていましてね。こっちは美味しかったですよ。特に独特の香りと飴色が古酒の特徴と思っていたこちらの予想を裏切る古酒は美味しかったです。銘柄チェックしていない。Twitterに写真をあげたから、そっちをみてね(オイ

 しかし自分の思惑の外で頼まれた白、赤葡萄酒は酸味が強くて・・・ええっと、もういいです・・・

 翌日土曜日は部分的に天気が回復して、ようやく富士山北側からご本尊の姿が拝めました。こんなにデカい富士山、映像でしか見た事ないわ。すげぇなぁ。スマホのカメラでは、その凄さは写しきれませぬ。単に自分が下手ともいう。でもね、どっかで見た事あるなぁと思ったのですよ、この富士山。そっか松竹映画のOPに使われているアレだ。そっかぁ・・・

 お昼は清水で一番有名というお寿司屋さんで。大変美味しかったのですが、量が半端ない。そして旅行参加者の大半は自分の親世代、七十代八十代の方々ですよ。そんなに食べられる筈がない。君、食えるやろって、トロとかトロとかトロとか・・・オイラの皿に載せてくんな!!まぁそんなに強く言える筈もないのですがね。

 この寿司屋さんのコース、幹事ではない形が三万から二万五千かな、とか見積もっておられたのですが、だいたい自分も判ってきたよ。高額なコース料理といっても食材の値段がそんなに高いはずもなく、そうなると物量で満足させる方向に向かうのだと。もちろん新鮮で良質な美味の食材ですけど、でも五千円以上はそんなに差が出る事もないって話も聞いた事はある。

 高額コース料理を食べる機会がある時は、一食ぐらい事前に抜いた方がちょうどいいんぢゃないですかね・・・

 お供のお酒は大変美味しかったです。自分、おフランスの辛口白葡萄酒で、文句なく美味しいと思ったのは初めてでした。暖かい地方の白って甘い香りや後味が、辛口でもあるもんだ、と思っていましたからねぇ。これが店単価いちまんえんのちからかー・・・という事は原価は・・・あ、やめとこう。

 そんな金土の町内旅行でした。

 日曜日はマダミスで、ゲームに負けて勝負に勝った、みたいな感じでした。我ながら何故情報収集のフェイズで「皆さん、ご存じですよね。おーいずみようでございます」って言っていたのか謎。中世ファンタジー世界を舞台にしたマダミスだったのに、何故おーいずみようが・・・おかしいなぁ・・・

明日は日記、ないです。

 明日、明後日と町内会の旅行に出かけるので、日記書ける環境にはないので、今週はこれが最後です。また来週お会いしましょう。またね!!

 というには早いですが、読み終わったものは再読本しかない・・・と思う。

 

 『鎌倉殿の13人』でも平氏は壇ノ浦を迎えてしまいましたので、思い返すように借りてみました。たぶん再読・・・たぶん。

 皆さん解っていると思いますけれども『鎌倉殿の13人』は創作物です。ストーリーラインで違和感がない限り、別にどのように料理されようと、見たり聞いたりした人が面白かったり感動したりすれば正義です。歴史研究はそれとは違うので。はい。

 この本は、源氏中心に語られがちな源平争乱を平氏視点でまとめられた本で、平氏の強みや弱点、何が敗北につながったのかを検討しています。木曽義仲によって都落ちするまでの平氏は体制側であり、源氏諸勢力の反乱を体制機構を利用して制圧しようと試みました。ところが、それは強制的な動員であり、利害が一致、あるいは摺りあわされている平氏家人以外の武士たちにとってはどーでもいいこと。諸源氏は逆に在地の利害視点で動員しており、戦に対するモチベーションは高かったこと。更に平氏の拠点である西国は当時の日本が温暖になると旱魃に見舞われて不作となり、逆に東日本は多雨となって豊作になる傾向があって、富士川合戦前後はまさにその傾向。補給に苦しんだ面があります。というか現地調達が基本なので、蝗みたいに移動してくるから遠征軍はどちらの陣営も在地に嫌われる。そして勝てない軍勢も嫌われる。

 平氏の敗因は、総大将に公家化してしまった、しかも分家筋の人々を登用したこと。軍事指揮能力が未知数か乏しく、また権威の上でも宗家に劣るとなれば統率力に問題が生じる。富士川だけでなく倶利伽羅峠に象徴される北陸での戦いでも、そんな感じ。畿内戦は危機感からか宗家のエースを投入して勝利しているのですが、連戦で疲れた彼らを休ませる為なのか、持てる総力を結集して北陸を制覇した木曽義仲勢と戦うのに平知盛平重衡といったエースではなく分家の公家化した経験の浅い人々を指揮官たちにしてしまうという・・・あ、やっちゃいけない事を全部やってしまったみたいな。

 都落ちした後も、まだ平氏と利害をともにする勢力は存在し、それらを結集して水軍という慣れた戦力を中心に戦うと盛り返していくのですが、一ノ谷合戦での敗北がターニングポイントで沈む船から逃れようとするように支持勢力が零れ落ちていく、みたいな。壇ノ浦の合戦も、義経どうのというよりも、既に内部崩壊していて、戦意が薄い(他の一族は皆脱落している)四国水軍が第2陣を張り、それを除外する事ができずに開戦し、そして裏切られ、戦らしい戦もできず敗北していくという・・・

 平氏一門が三種の神器安徳天皇を道連れに入水していったのは、戦いきれないうちに敗北した無念とか諦念とか、そんな事も重なっていたのかも知れないなぁ、と。

 まぁ平氏の失敗から頼朝はすべての武士を自らの家人にしていく方向に切り替えたとも言えるのかも。実際に鎌倉殿の御家人が全国展開するのは承久の乱以後ですけれども。そういった意味で『鎌倉殿の13人』が承久の乱の勝者である北条義時を主人公にするのは幕府体制の完成という意味で正しいのではないかと思ったりしたり。

 つまり・・・頼朝死後から本当の地獄が始まるんやで(にやり