pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

忙しかった

 大半は自分のせいです。仕事を金曜日から引きずって月曜日に貯めているのに、予想できているのに、オイル交換と車検の予定を午前中に入れてしまったという・・・仕事が押して、配達して、仕入伝票整理して・・・まぁ本を読む余裕なんて、車の中だけですよ(あ

 『杉山城の時代』という本です。凄く興味深いというか、考古学、縄張り研究、文献を辿っても正確な事が解らない城、要害というものが一杯あって、むしろ来歴がはっきりしていて、折々の城主が解っていて、どんな時期にどんな戦いの拠点になったと解る城なんて、ごく僅かしかないという事が解ります。

 表題になっている杉山城というのは、そういう来歴不明な名城の一つであり、複層的に戦国時代に成立した防御施設をこれでもか!!と合理的に組み合わせ設計された、観る人が見ると驚嘆のあまり歓声をあげるか、絶句するか、というぐらい見事なものらしいのですが、築城時期どころか存在した時代すら確定できないという・・・。

 文献に残っていないし、発掘で発見されたものはだいたい十五世紀~十六世紀初めであり、精緻な縄張りから後北条氏の手になると思われていたのに、それより五十年ほど前の山内、扇谷の両上杉氏が争っていた時代の城であると文化庁の『公式見解』になっています。

 まだ本を全て読んでいないので、さてどういう話になるのかと・・・まぁ決着はついていないし、著者は後北条時代の築城だと主張していらっしゃいますが、はっきり決定されればいいというスタンスで、自分の主張が絶対正しい!!などとは、露程も考えていないところが好感が持てます・・・というか、本来研究者というものはこういうものですよね。だって、合理的な説明ができる説が、一番真実に近いと考えるしかなくて、それに自分の意地とかプライドとか、関係ないもんね。