『もの』って言うより『国』なんですけれども、並行して読んでいました。
物語 フィンランドの歴史 - 北欧先進国「バルト海の乙女」の800年 (中公新書)
- 作者: 石野裕子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/10/18
- メディア: 新書
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映画『かもめ食堂』とムーミンと、冬戦争のシモ・ヘイヘ、マンネルヘイム。それが全てでした。
人口が一千万に満たない小国ですで、歴史的にも独立して百年ぐらい。近世まではスウェーデン、近世はロシアに統治され、近現代は対ロシア外交が生き残りの全てと言っても過言ではなく、冷戦下ではかぎりなく中立国に近いという外交演出が欠かせませんでした。
こういう国からすると日本て、デカイ国ですよね。人口一億こえているし、歴史的にも距離的、地勢的な問題で独立を保っているし(というか外交的には世間知らずかも知れない)。
日本は制海権の問題からアメリカべったりの外交をとっていますが、バランス的にはだんだんフィンランドを見習わなくてはいけないと思います。いや、中国の海軍がアメリカ海軍を凌駕する日って、よっぽどの事がないとないと思うのですが、部分的な制海権をアメリカと競い合う事になると、マズい。日本近海に関しては海上自衛隊の海軍力もありますが、南西諸島から台湾、東南アジアへの航路の安全性を中国とアメリカが競うようになると、さてはて、その結果はどうなるのだろう?
日本の産業構造は中国から東南、南アジア諸国へ輸入国をシフトしているような気がします。つまり日本の主要航路は南シナ海経由だという事で、今の生活を維持する為には、何処の国がその制海権を握っているのか、というのがとても重要になってきます。
その時にアメリカべったりではなく、中国にもチャンネルを保持すべきだとは思います。まぁ今までもそういう潮流は政界にはあったのですが、尖閣諸島問題からこっち、中国パイプを持つ政治家があんまり目立たなくて。つくづく石原慎太郎と民主党政権は火中の栗に手を出して火傷したなぁ、と思ったりします。こういうところが『世間知らず』って感じですよね。
西と東の狭間で巧みに生き続けなければ国として存立できないフィンランドの姿勢は、参考にしなきゃいけないと思うのですよ。