pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

眠い

 夕方になっても眠いもんは眠いんぢゃー!!

 はい。すっきりしました。しかし惰眠を貪ってもすっきりしない事は理解していますから、就寝時間まで、いつしようけんめい、起きてます。はい。

 さて読み終わったもの。

 

藤原彰子:天下第一の母 (ミネルヴァ日本評伝選)

藤原彰子:天下第一の母 (ミネルヴァ日本評伝選)

 

  言ってしまえば、藤原道長とその子孫が摂関家として成立できた理由は、一条天皇に嫁ぎ、二人の天皇となる皇子を産み、更に孫、曾孫の世代の天皇になるまで生存するほど長寿を彼女が保ったおかげ、だと思います。

 そら、彼女を起点として天皇家が続いている訳ですから権威は絶大ですよ。しかもご本人は割と慎ましく、上品で、向学心もそこそこあり、貴族社会において嫌味にならない程度に信頼感のある人柄だったらしく、そういう人は長生きすればするほど権威が増すというもの。

 父道長天皇の外祖父として摂政になりましたが、弟の頼通は遂に自分の娘、養女に至っても皇子を得る事がなく、彼女の『身内』というだけで五十年以上摂関の地位にいました。こんだけ長い事やっていれば、あ、もう摂政関白はあそこんちの家職みたいなものだな、って認識が広がりますからね。

 しかし読んでいて思ったのは、何とも頻繁に火災が起こること。彼女が活動した一世紀弱の期間に、いったいどれほどの回数の内裏、つまり天皇の宮殿が焼失したことか。防火対策が未熟とか、木材建築の宿命とかだけでなく、治安の乱れも一役買っているのではないでしょうかね。男手が出払った貴族の屋敷に堂々と盗賊がやってきて、女房の衣装をはいで丸裸にして置き去りにした、なんて記述もあるぐらい。

 あと、引退し出家して院号を称する皇后とか中宮の走りになった人でもあります。中世の足音を感じる時代の人ですかね。

 

 

  古代ギリシャは研究対象になって、多くの著作があるのですが、近代国家として独立した後のギリシャを研究しているのは少ない、と読んでみました。

 一言で言うと・・・過去の遺産で楽して生きたい、けどそうもいかなくて、ひいひいいっている。そんな感じの国でしょうか?1980年代から借金で国を回していた。それも主に年金や生活費に関わる分野で、と知って、ああこういう人、知っている。内田百閒っておっさんやー、とか思いましたね。

 なんでしょうね。古代ギリシャと現代ギリシャ人は、血統的にもメンタリティ的にも別物だと思うのですよ。宗教違うし、動乱でいろんな民族が入ったりしているし。ま、言語ぐらいですかね、現代ギリシャ語は古代ギリシャ語の系統的後継者だと。

 記述が2009年ぐらい。ギリシャ危機がユーロ危機となったぐらいで終わっているので、その後の展開を知りませんが、旧ユーゴスラヴィア近現代史を読んだときも感じたけど、オスマン消滅後の民族間の血で血を洗う争いの末、古代ギリシャへの郷愁により無理矢理誕生させた国が、紆余曲折しながら存続しているけど、大国、国際関係によって生かされている感じで、自立しているイメージが薄い。借金漬け財政もあって、です。

 今後、どーなっていくんでしょうねー。