pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

咳は止まっていません。

 昨日は何とか上京し、東京コミティアに参加し、無事荷物も送り返して(その荷物も今日受けて取っています)、おまけにジビエの店で飲み食いまでして帰宅しました。あ、流石に葡萄酒一本干すとかは無理です。

 熱は下がっていましたが、喉は痛いし、鼻水はあるし、咳も・・・咳は今日の方が酷いか。そんな感じでした。明日中で咳も止まると良いのぉ。2/12は飲み会なので。

 んで読み終えた本。

 

地獄の釜の蓋を開けろ~マビノギオン偽典~(3) (角川コミックス・エース)

地獄の釜の蓋を開けろ~マビノギオン偽典~(3) (角川コミックス・エース)

 

  収まるところに収まったラストでしたかね。著者の方の同人誌を読み続けている身としては、少し意外な身の振り方をした人物がいました。やさぐれた、見るからに不良なおっさん親方が、そんな人生を歩むとは・・・

 少し可哀想かなぁと思ったのはイーニッドでしたが、それなりに幸福な人生になったのかなぁ・・・

 中世ものにどっぷりはまっていらっしゃる方ですから、どんな作品でも歓迎でござりまするが、また商業誌で描いて欲しいですよ。

 

マロニエ王国の七人の騎士 (4) (フラワーコミックスアルファ)

マロニエ王国の七人の騎士 (4) (フラワーコミックスアルファ)

 

  少しばかり『七人の騎士』の父親の素性が見えたような気がします。今回は前回エピソードよりも若干展開が早いですね。もう事件が起きてしまっているからかな?

 続きは一年後ですかねぇ。楽しみです。

 

戦国合戦〈大敗〉の歴史学

戦国合戦〈大敗〉の歴史学

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2019/06/01
  • メディア: 単行本
 

  昨日、新幹線の中とコミティア会場で居眠りしながら読み切りました。本来なら居眠りしながら読んでいいものではありません。そりゃ全部の本について言えますが、まぁ引用文とかすっ飛ばしているから稼げましたよ。

 一方が大負けした事例の戦国合戦について考察しています。だいたいが軍記物にそんな感じで、負けた方が、この戦の結果衰退しました、みたいな話にしているので、疑わずにそんな印象を持っている、みたいな。

 例えば長篠合戦では、確かに宿老層を失った武田家ですが、逆に言うと現当主勝頼の意思が実行しやすくなり、傭兵を多用した戦術で立て直しをはかっており、直接の滅亡原因にはなっていません。

 日向伊東家の滅亡原因とされる『木崎原の戦い』もそれ以前に、連合して島津家を圧倒していた状況が、大口に籠城する相良・菱刈連合軍が島津の伏兵に敗れた『戸神尾の戦い』で一変。菱刈は降伏するし、相良も勢力に陰りが見え、危機に際して状況を変える為に戦ったのが木崎原の戦いだったそうです。ターニングポイントは別、ということ。

 耳川の大敗はその後の、龍造寺や毛利による調略により国人領主が大友家から離反していく切っ掛けになった様子。

 大内家による尼子家の月山富田城攻略失敗は、どうも大内側の尼子国人領主への調略の仕方がまずかったようで(寺社領地を返還する事を宣伝していたらしい。そういう寺社領を横領していた武士たちにとってはたまったものではないので、尼子側に再度寝返った)、撤退時に攻撃を受けて大きな損害を出しますが、その後大内家は立て直し、瀬戸内方面では尼子家与党を完全排除しています。

 三好長慶畿内の覇権を握る契機と言われた江口合戦は、敗北したのは三好長慶の旧主細川晴元と彼が支持した三好宗三であり、晴元の代わりに細川氏綱を擁した三好長慶は、特に建前上の変化はありません。

 桶狭間の戦いにおいても、今川家前当主と重臣は失いましたが、決定的な退潮は徳川家康独立後の戦いにおいて三河だけでなく遠江さえも混乱に陥れられたせい(そう思うと家康は意外にやり手ではある)

 意外だったのは四度目の川中島の戦いを上杉方の大敗と評する見方があって、その意見によると武田家は武将級を(つまり高級士官)失ったが、上杉方は下士官級の武士を失っているという。まぁ、どっちが痛いと言えば、現場指揮官をより多く失う方が組織としては痛手になりますからね。

 そんな新しい視点を得られた本でした。