pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

今日は読み終わったもの。

 店のPCの調子が悪いです。変なものがいつの間にか入っていて、動作が重いのなんのって。明日、ちょいとキャッシュを消去してみようと思います。それで多少なりとも軽くなるかなぁ・・・

 それはさておき、読み終わったものです。

 

星系出雲の兵站-遠征-2 (ハヤカワ文庫JA)

星系出雲の兵站-遠征-2 (ハヤカワ文庫JA)

 

  まずはビジュアル面を重んじて。仕方ないやん。マンガぢゃないんだから。意思疎通が徐々にできるようになった異星知性体との『戦争』です。コミュニケーションを望みながら、しかし互いに邪魔になるなら交戦し続けています。お互いを探る為に不用意な接触は避けているのですけれども、異星知性体の方は意向が分裂しているようにも見えますが、交渉を情報収集の一環とみているのは間違いないみたいです。

 人類側も、感情を棚上げして、とりあえず目的達成を優先させる人材がイニシアチブを取っているので、異星知性体との小競り合い(死人は出ている)以外では深刻な状態にはなっていません。異分子は存在しますが。

 さて、異星知性体が通商破壊戦を実施し人類側に被害が出ている中、それを囮にしてコミュニケートを取ろうとするところで、今回は終わっています。次巻はどうなりますかねぇ?

 

  戦国期に滅亡してしまった大名家の当主というのは、だいたい過小評価されてしまうのですが、南北朝期から戦国期まで西中国から北九州にかけて領域を持ち、幕府に変わって遣明船を主催し、石見銀山の本格的操業を担った大内家最後の当主も、多分に漏れず家臣陶隆房を中心とする家臣団の多数派に殺された為、文弱と言われています。

 まぁ、その通りなんですけれど(あ

 この人は、武将と言うよりも政治家の側面が強いです。つまり部下に総指揮を委ねて働かせるタイプで、前半は陶興房という卓越した人材がいたので、北九州の覇権を握る事ができました。陶興房は、小競り合いをしているうちに優位に立ち、相手を追い詰めるという、詰め将棋みたいな戦略家ですね。その息子、次男らしいですけど陶隆房はどちらかというと猛将、つまり目の前の戦局にしか目がいかない近視眼タイプらしいです。

 生涯たった一度の敗戦とも言える尼子攻めは、調略が最終的に不成功になった為、相手本拠の月山富田城まで攻め寄せながら撤退。この撤退戦で甥で養嗣子の恒持を失い、意気消沈して文弱に逃げた・・・と通説では言いますが、ここは立ち直り外様国衆への手当を的確に行い、備後、備中などの山陽方面で戦果を上げる事になります。

 しかし家臣たちは尼子攻めの、不手際が印象に残ってしまった為、義隆排斥、ついで殺害を企図し、根回しをし、実行に移し、あっけない最後となります。ご本人、何故家臣たちに不満を抱かれたのか解っていなかったようです。だからギリギリまで策謀は備中とか最前線の方に注意を向けられていました。

 あと大内家は水軍にその威力があるようでして、有名な村上水軍大内義隆が殺され、そして毛利氏によって陶晴賢(隆房が改名したもの)与党と彼らが推戴した大内義長(大友宗麟弟)が滅ぼされるまで、瀬戸内海では劣勢だったようです。毛利氏はもともと山間部の国人領主ですから、それもあってか大内家の滅亡とともに遣明船も途絶えたみたいです。

 著者は、陶隆房ではなく、その兄が早死にせず後を継いでいたら、その後の大内家は変わったかも知れないと書きマス。

 ちなみに、足利将軍家以外、織田信長登場までの間、公卿の地位に登った武士は、大内義興(死後贈号)、義隆父子だけで生前に公卿になったのは大内義隆だけでした。つまり、中央の朝廷との交渉を持ち、自家の地位向上を図った大名というのは彼だけとも言える訳で、ご本人もそれで何か変わるとは思っておらず、外交戦において優位に立つための方便としか考えていないようでしたが、そういう視点を持った大名は他にはいなかった、と思えば、希有な存在と言えるかも知れません。