pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

何という事でしょう

 わりかし時間があるので仕事中に日記が書けちゃうぢゃないですかー。やだー(ではない

 HTBさんに注文しておいた『水曜どうでしょう』のDVD、第26弾~第29弾まで届きました。両親が早く寝静まってくれれば、四国八十八か所Ⅲを今夜から見ようと思います。最新作は録画しそこねたので・・・あう、DVD化までお預けか・・・。しかし今回手元に届いたもので全部・・・なのかな?密林につかまされた海賊版の部分を買いなおすかどうかは、財布と相談します。

 さて、読み終わったもの。

 

ヨーロッパ現代史 (ちくま新書)

ヨーロッパ現代史 (ちくま新書)

 

  第二次大戦後から最近までをおおよそ十年区切りで、英仏独の主要国にソ連→ロシア、そしてトピック的に他の国々を取り上げています。

 意外だったのは、ヨーロッパの福祉国家制は大戦直後の困窮した人々に対して始まったという事で、破綻は六十年代後半・・・結構昔だったのね。ゆりかごから墓場まで、と言われた福祉国家を習ったの、自分が中学校ぐらいぢゃないかしら。二十年ほど経過していたんですね、破綻してから。さすが教科書。情報が古い(あ

 その後、石油危機によって経済危機を迎えるも、それが技術革新につながり、増産で乗り切りはしたものの、技術的な停滞を迎えてしまったソ連、東側は経済破綻し『冷戦』は、結果として西側の勝利に。

 しかしその後のグローバル化新自由主義はむき出しの市場競争原理を強い、経済格差の深化、紛争難民の増加が受け入れを頭割りしてくるEUへの反感となり、どちらかというと現代のヨーロッパはポピュリズムが強い傾向にあります。

 平和というものは腕力の強い一者が他者に秩序を強要しないと成り立ちません。しかし他者は納得しなければ最強者に従う筈もなく、また生活が困窮している人々はなおさら改善を求めます。

 他者への抑圧が(敗戦国ドイツへの過剰な賠償要求が第二次大戦の理由の一つ、とも言われている)大戦を引き起こしたと理解された戦後は、助け合いを基調として妥協し、話し合いで物事を解決していきました。現在は誰もが自らの取り分にやっきになり、譲歩という言葉は消えがちです。七十年前の人々が倫理的に現代の人々より勝る、というよりも、悲惨な現実を繰り返したくない一心での選択であり(日本人も戦中の苦労と軍部への不信感から武装放棄や平和憲法を受け入れた過去があります)、現代はよりよい生活、安定した未来を求めるが故の主張であり、どちらがいい、悪いとは言えない種類のものです。倫理ですべてが解決したら、世の中にゃ善人しか存在しないですよ。トラブルを起こすのが悪人だけなら、社会的、生命的に抹殺されてしまうのだし。そうとは限らないところに人間社会の(不謹慎かもしれませんが)面白さというものがあるのだと。

 現在のヨーロッパ各国が抱える問題は多かれ少なかれ日本にも共通する問題であり(経済団体が自社存続しか考えず、より安い経費での日常業務を模索する事は、自社存続にとっては正しいでしょうが、給与が上がらなければ一般消費が活発になる事はなく、つまり景気は停滞する、という理屈を頭で理解しても実行できないところに問題があるのかも知れない)、現在の福祉制度が経済状況に左右される『脆弱な』スタイルであるのも確かです。年金受給者は今後十年は増えるでしょう。構成員への精神的なストレス、圧迫を組織的に軽減するシステムを構築しない限り、精神科医療患者は増え続けますし、他の病理と異なり、明確に治癒された事が外見からは解りにくいという事実が(明確な規範もない)精神治療保険使用者を増やし続けます。つまり公的資金の必要性は増える事はあっても減る事はない。このあたりの資金力を改善する何かがなければ税金はあがる一方、という事になります。

 そんな魔法のような方法など、素人かつお気楽一般人には考えもつかず、経済学者が言う『累進課税制度』以外に格差の是正を行う特効薬はないのかも知れません。ヒトが健全に暮らしていく為の、最低限の保証は社会の利便性とともに高価なものになっていくでしょう。それをどう賄うのか、その解決ができなければ、人は財産の自己防衛という中世的な社会になっていき、治安の悪化、自己防衛というスパイラルになる事でしょう。

 つまり、このあたりが『暗黒時代』への分水嶺なのかも知れません。あ、この『暗黒時代』の意味は治安問題に関する事です。ま、ヒトが安心して生きていくもっとも基本的な条件なのかも知れませんけど。

 はぁ。三十分も日記を書いてしまった・・・