pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

たくさん読みました

 ま、主に漫画なんですけれども(オイ

 それでもね、返却予定の本を読みました。

 

 時々、右巻きの人が『東南アジア諸国が独立できたのは大日本帝国のおかげ』とか力む事があるのですが、基本的に大日本帝国は東南アジアのあらゆる資源を戦争遂行の為に収奪していったのであって、独立の手助けをしたとしたら「植民地のままなら、生きていけられないぐらい搾り取られる!!」という危機感を持たせたという事で、つまり特に相手の事を考えてやった事ではない、逆説的な結果であるという事を理解して欲しいですナ。建前をどう思おうと、東南アジアの人々が戦時中の大日本帝国のやらかしを、歓迎していると考えられたら、気持ち悪いですからな。

 んで、その東南アジアのこと、ちゃんと読んでいないよねー、と思いましてね。読んでみました入門編。

 ヨーロッパ植民地になるまでは土着地域国家の紛争が絶えず、植民地になった事で宗主国間の協調路線で、皮肉にも平和な状況になったこと。その時代に統治技術、生産技能等の高等教育が施されたからか、植民地国家が独立国家の規範となったこと。それ以前は単一民族で国家を形成する傾向があったけれども、中国人やインド人などの域外人が労働力や官吏として流入したので期せずして多民族国家となり、それを言語とかで国家的求心力を高める事で発展させようとしたこと。

 冷戦期は開発独裁、あるいは社会主義での経済発展を目指し、冷戦終結とともに社会主義経済の失敗、開放路線への切り替えと、開発独裁からの脱却からそれぞれ舵を切り直し、ASEANを結成して域内での経済、政治的な討議を行う場を設けたこと、これが対外域の勢力との話し合いのプラットホームになっていること、しかし政治的統一を目指すNATOと異なり内政不干渉を唱えており、良くも悪くもそれが特色になっている。

 発刊が2016年と若干昔の話になっており、その時代から見ても日本の経済力は弱体化しまして、中国の景気も悪くなっていますが、まぁそこまで変わっていないよねーっと。でもこれからは違うかも。日本円が安くなっているので国内投資に変わるかも知れないし、まぁ日本の影響力は減退するかもね。

 人間、同時代の状況が絶対で、今後もそういう状況が続くだろうとか思いがちだけど、日本の経済力が強かった時期って半世紀ぐらいなもんなのよね。現在の日本政府って少子化対策っていいながら少子化推進対策みたいな事をしているし、『クールジャパン』とか言いながらその原動力である多様性を押しつぶすような税制改革しているし、ひょっとして必要資源をミニマムにする為に、国家規模縮小を狙っているんぢゃないの?とか思ってしまうし。まぁその傾向は東南アジアでも少子高齢化の進行で同じようなものなのですが。

 考え方を『競争』から『補完』にしていかないと、社会が回らなく時代になるのかも知れませんねー。