pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

少しの時間

 まぁ空いたので。いや、刺繍屋さんの上がり次第では午後から暇という事態になりかねませんが、まぁ時間が空いたのは確実ですから。

 読み終わる予定の本は開高健さんのエッセイというかインタビューというのかを

編者の趣味で(趣味だよなぁ)編集して一冊にまとめたもの。別のものもあるらしいですが、まだ読み終わっていないけど、こんな調子で最後まで行くのかなぁっと思ったので。

 

ポ・ト・フをもう一度

ポ・ト・フをもう一度

  • 作者:開高 健
  • 発売日: 2012/07/25
  • メディア: 単行本
 

  だいたい昭和三十年代から五十年代まで活躍された小説家さんで、イメージでは趣味人。昭和一桁生まれの方で、戦時中に小学校の校長先生をしていたお父さんが亡くなり、かなりギリギリな十代を過ごされた感じ。大阪大学卒業というけれど、大変いい加減なもので、ろくに授業など出ず、担当教授と趣味の話をして卒業単位をもらったという、現代では考えられない緩さ。この辺、開高さんより一回り年下のうちの父親にも言える事で、どうやって遊び惚けて、どうやって単位をもらうかという勉学とは程遠い大学生。ちなみにうちの父親は付け届けみたいなもので卒業単位をもらったらしい。いかさまだな!!

 とはいえ自分も卒論の半分は他の研究者の文章を丸写しした代物であれでしたが。選んだテーマが限定的過ぎて、文章をどうしても膨らませる事ができなかったものですから・・・現在からすると不良学生ですね。これでも真面目な方・・・いや、他の学校の生徒のレポートなど代筆して五百円とか稼いでいました!!同じ学校の生徒にやると「金とるのか!!」って怒られてね。なんでだろう?こっちはそれだけの労力を費やしているんだけどな(書きなぐっているだけとも言うけど)

 とはいえ、その知識量というか蘊蓄というか、並大抵のものではないですね。手塚治虫さんや他の作家さん、評論家さんとの昭和三十年代までの洋画談義とか見て、なるほど同世代の人なんだなぁ、と。手塚さんも医大受験準備している間に漫画家デビューしちゃった口かな。開高さんは手塚さんを大変褒めていますね。画面作りのパイオニアですし。

  学生結婚の奥さんが妊娠したので入れ替わりにサントリーに入社し・・・今みたいなデカイ会社ぢゃない頃みたいですけど、無料の宣伝誌をつくる仕事をしながら文学して、覚悟もないのに芥川賞をとってしまったから、プレッシャーで書けない、酒に逃げる日々を過ごしたり、まぁ戦前作家の系譜を踏んでいるみたいな。命のギリギリを感じたいって感じでベトナム戦争の現地記者みたいな事もやってますね。

 たしかこの方、五十代で亡くなっているんですよね。自分が十代の頃に亡くなっている。だから名前だけは知っていたのですよ。気を付けないと、こういう方も忘れ去られてしまうからなぁ。図書館で探して読まなきゃ。