pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

珈琲は(以下略

 毎朝飲んでいるのはインスタント珈琲です。なので香り以外の味は良く解りません。香りがなかったら、某魔術師提督のように〇水みたいだーって言いだすかもしれません(コラ

 オーナー喫茶店主になろうと努力している某氏に教えてもらって浅煎り珈琲の酸味の味わいが、いいなぁとは思っていますが、そういう入れ方を選択できる喫茶店を知らないので(偶然の発見以外に探すつもりがないともいう)、そもそもあんまり喫茶店に入らないしね(そこからか)。未だここに行けば浅煎り珈琲が飲める、といういきつけを見つけていません。すごく近所にありそうな気はする。

 昨日の昼間、ラヂヲから漫画家の三浦健太郎氏が亡くなったというニュースが流れた時はびっくりしました。健康上の理由で『ベルセルク』の連載が途切れがちというのは知っていましたし、『ジオブリーダース』『ワイルダネス』の作者伊藤明弘が今月十二年ぶりに『ワイルダネス』の連載を再開されるという知らせに触れて、『ベルセルク』もきっと復活してくれるだろう。自分が生きている間に完結してくれるに違いない。そう思っていました。

 『ベルセルク』との出会いは、たぶん高校時代です。後輩が読ませてくれたのが最初で、どろっどろのダークな世界観に拒否と魅了と、両方の読感を覚えたの思います。二巻までしかなかったかな、その頃は。壮大な物語が始まる予感がありましたが、同時に「これはちゃんと物語を終わらせる事ができるのか?」という不安もありました。まだ本格的な連載開始でもなかったので、購入を躊躇ったと思います。大風呂敷を広げたけれども、結局商業的に成り立たなくて物語が続かないという例を、その頃の自分も見ていたので。

 だから『ヤングアニマル』誌でレギュラー連載が開始されてからか、もしくはガッツの誕生物語が始まってからか、そのあたりから単行本を購入し始めたと思います。

 考えてみればファンタジーなのに、まったく魔法要素のない、分厚い鉄塊だと形容される『ドラゴン殺し』を隻腕の剣士が振るっている姿を見た時から魅了されていたと思います。それまでの物語とは違う。主人公は正義ぢゃない。善人でもない。悪霊に悩まされて夜もろくに眠る事ができない。常人ならば死んでいる。それでも彼は剣(といえるのか?)は振るい、魔の眷属を叩き潰している。その原動力は栄光と絶望の過去であり、たった一人だけ残った愛する人です。しかしその愛する人は恐怖と絶望により全てを忘れ、主人公自身を恐れ、拒絶する。

 せつねー!!絶望感しかない。体力も精神も限界の物語で、世の中が裏返ってしまい、魔の領域が現世に強くなったが為に、主人公にも仲間ができたのは救いであり、ようやく物語の終結が見えてきたような感じがしました。

 数年単行本の続刊は途切れていましたが、それでもライフワークとして、いつか物語は終わってくれるのだろうと思っていたのですが、こんな幕切れとは・・・残念です。

 『グイン・サーガ』中途で亡くなった栗本薫さんのように、その物語を引き継いでくださる方がいらっしゃればあるいは、ですが、技術的な問題や物語そのものの構築まで、物凄い労力が投入される事です。どうなるんだろう。一読者としては今後、何らかの進展が生まれる事を期待するだけです。

 そして改めて、三浦健太郎さんに。物語の新たな地平線、可能性を開いてくださってありがとうございました。自分の嗜好が「絶望の中で希望を見つける物語」である事を自覚させてくれた作品が『ベルセルク』でした。

 

ベルセルク 40 (ヤングアニマルコミックス)