土日は料理作って酒飲んで、転寝しているという怠惰な日常を送っておりました。日曜日は父親が日中出かけたので・・・そうなると簡単なものをこさえてごまかせばいいのに、「昼飲みターイム!!」とか思っていそいそと酒と肴を用意するとこなんかもう・・・その後、物の役に立たなくなるのにねー。ダメ人間ですねー。
ダメ人間でも読書はしちゃうのでね。
仁木さんの遺伝子学が発達した世界の、最初期時代の短編集です。発表は一連の作品群では一番最後です。今のところ。
読んでいると、もっとも古い時代は二十世紀最末期から二十一世紀初頭に設定されていて、日記を書いている今現在から振り返ると二十年ほど前の設定なんですよね。亜人たちが労働力として活用され始め、その利用に対して倫理的・・・いや加虐本能的に亜人達を破壊・・・いや殺戮していく人々。実はそれは亜人を普及させ、亜人を蔑視、同情させる事によって人間から本当の意味の差別をなくし、加えて加虐的傾向の人間をあぶりだし、不妊効果を持つ食物で彼らを『種』として根絶していくという・・・
考えてみれば傲慢だし、もしかしたら無駄な努力ぢゃないかなーっとも思う設定ですが、そういう世界なので。
デザインされた殺戮が人間の負の部分を引き受け続け、その遺伝子改変の末に対応不能なウィルスが発生して人間社会が崩壊していく。なんかね、今の新型コロナみたいな展開ですよね。加速度的に自らを改変し、あらゆる環境において伝染しようとする新型コロナ。人類は対応しきれるのでしょうか?他人事ぢゃないのですが、どうしてもそんな感じで書いてしまうのは、まだ身近な人が罹患していないからですかね。
米澤さんの作品は優しさの中に苦み。世知辛さの中で暖かさを感じる事が多いのです。殺人事件ぢゃない謎解きも好きなんですけれども。解説の末尾をちょろりと読んだら、「他の作品よりも著者の登場人物に対する視線が優しい」とか書いてあって・・・そうかな?とか思いました。まぁ小市民シリーズはともかく、古典部シリーズに対しては優しいのではないかと思いますけれども。小市民は登場人物が特殊な考え方だけど、古典部は何というか、思春期の苦悩みたいに感じられるのですよね。凄く。
この作品はまだ二人組のうち一人は結構ハードな人生ですが、もう一人の方は一般的な家庭環境みたいに見えます。このまま完結でもいいかも、という展開でしたが、続編の構想があると著者自身がおっしゃったそうなので、あ、まだ二人の間柄は続くのだなぁ、と。
それよりか個人的には、小市民シリーズを完結していていただけないかと思ったりしたり。後は冬季限定スイーツだけぢゃないですかー・・・解らんけど。古典部はね、ゆっくり進んでくれて構わないです。思い入れが強いですからの・・・