pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

午前中は暇です

 発注していないし。でも明日は入荷がありますよ。先ほど発注をかけたから。FAXは午前九時まで、ネット発注でも午前十時までしか受け付けてくれないメーカーがありましてね、まぁ物流が貧弱なのに商品が売れて発送の現場がてんやわんやなのが原因なんですけれど、もうそんな状態が数年続いているので、いい加減大きな物流倉庫を作って欲しいけれども、メーカーの立場に立つと、事実上ブランド化したとは言え自社商品の人気など砂上の楼閣と意識しているのでしょう。経営一族の思考は『かたい』つまり保守傾向が強いのを感じているので、事務機能を強化する本社は今までよりも交通の便のいい都市部に移るらしいですけれども、物流倉庫の事は聞かないなぁ。つまり当分こんな感じ。

 さてそういう『移転』が成功する場合もあれば、妙な方向へ行ってしまう事もありまして、なんか冒頭の文を書いていたら、これ、読んだ本の内容とつなげられるんぢゃね?とか思いましてね。

 

  昨今の日本中世史の盛況ぶりとは裏腹に、中国史は手数なようでして、まぁ新しい情報はあんまり聞かないし、この著者の方も、教授などの教職についている間は忙しくて研究が進まなかったと。授業、指導、事務方との折衝で時間が追われていた日常が想像できます。著作に専念できるようななったのは退職された後だそうで、なかなか厳しいですね。

 さて北魏といえば中国の南北朝時代華北を統一した遊牧民出身勢力の王朝ですが、彼らが北方の草原勢力から中国、中原の政治勢力になる悪戦苦闘を描いたものです。まさに悪戦苦闘。黄河よりも北の草原にある平城から西周以来の古都である洛陽に遷都した孝文帝が最も有名な君主ですが、統治の必要から様々な漢化を行った彼は三十三歳の若さで亡くなっています。これ、過労ぢゃね?

 北魏の歴代皇帝は早死にの傾向が強く、それが君主が主導権を握れず、改革をしても諸勢力の不満解消がはかどらずに分裂していき、遷都四十年あまりで北魏は東西に分裂し滅亡してしまいます。その分裂した北魏はそれぞれ実力者が簒奪して北斉北周になりますが、軍事的にも経済的にも優勢な東部の北斉が、何故経済的にも軍事的にも劣勢な北周に敗れたのか疑問だったのですけれども(正史は個人の能力な性向に原因を求めがち)、どうやら北魏が分裂した諸原因である軍事力を担う北方遊牧民勢力と洛陽に移った勢力、中原で経済を担う漢族の名族の三つ巴の勢力争いをそのまま継承してしまったらしく、脆弱な為に国家総動員態勢みたいを事をしていた北周が、奇襲みたいな作戦をしたら対応できずに敗れた、みたいな感じです。

 随分昔は「中国の王朝は四千年前から同じだ」みたいな乱暴な言説もありましたが、自分の感触からすると最初の統一王朝の秦は植民地帝国っぽく、もともとの秦の国土以外はみんな外国で、「一つの中国」という意識は希薄だったのではないかと思います。漢王朝成立も軍事的覇権を握ったものの成り行きみたいな感じで、最初は郡国制っていう半ば外国扱いの地域もあったし、組織を支える官僚の補充も推薦制から家柄重視、そして家柄と能力重視へと推移して隋唐の科挙制度へとつながっていきます。

 まぁ最初から完成されたものが存在する筈はなく、状況に応じて組織も変遷していかなければ破滅していき、また新たな組織が生まれるという訳で・・・こういうところを考察してもらうには『政治的に正しい歴史』なんてものが存在していたら無理だよなぁ、と改めて思いました。

 そんな感じ。