pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

慌てた

 仕事中にいきなりネットが繋がらなくなったので。慌てて電話して、結局LANジャッキの接触不良という事が判明しまして、はぁ、良かった。解ってみれば簡単な事ですが、判明するまでは、あたふたしてしまいますからねぇ。

 『パスファインダー:キングメーカー』も・・・ああ、これかーっとようやく問題解決。昨晩ちょろりとやりました。扉の鍵が解らなくて止まっていますが。どっかの動画を見れば解るだろう、たぶん。

 そして読んだもの。

 

 改めて中東と呼ばれる地域の通史を読んだみたいなものですが、古代より幾多の民族、文化、宗教が行きかい、分立する地域ですからトラブルの宝庫な訳ですが、記録に残る人類最古の文明地帯である事も確かでして、そこで生きる人々の知恵というものがあります。互いを認め合う『寛容』というもの。これが最後に機能したのがオスマン帝国時代でして、それ以降、欧米の『近代化』とやらが暴力とともにやってきて、自らの価値観、都合でいいように引っ掻き回した挙句、混乱が収拾する道筋がつかない国が多いという。

 イスラムに民主主義が定着しにくい、と思いがちですが、そうではないでしょう。独裁というものは純粋な形では成立しません。独裁者でも人数はさておき、スタッフ、側近、何某かの人々に諮問したり、会議したりしなければならず、コンセンサスを無視した施策は、たとえ有用なものでも人々の支持を得にくく失敗しやすいものです。寡占とはいえ長老会議のような形で合議をとり、物事を進めるのが、だいたい人類史に普遍に見える政治形態です。

 実は民主主義というものは実に排他的なものです。建前上、参加する人々全てを平等に扱わなければならない民主主義は構成員が少数であればあるほど原則を守れます。単一民族国家になるか、全ての民族に平等の権利を与えるか。残念ながら日本の民主主義は日本人のみに権利を与えるものです。それ以外のいわゆる『外国人』は納税していても選挙権、被選挙権を得る事はない。帰化して日本人にならなければならない。しかしそれが悪い事かと言うと、国家への帰属意識、愛着がある人物をどのように見分けるのか、きわめて主観的な問題であるのに、物差しは客観的である事を要求され、そうなると帰化するかしないか、となるしかない。

 異なる人々のアイデンティティを認め、平等の権利を保障する事がいかに難しいのか。人間であるだけで同胞意識を持つには、外敵の存在がなければ不可能なのか。

 本を読み終えて感じたのは、いい加減、無思慮に自分たちの価値観、天真爛漫、あるいは悪意な無知を持ったまま中東の問題に介入してはならないという事です。

 多種多様な人々が平和裏に存続していた過去はあるのに、今現在は血で血を洗う戦いが絶えない。その問題がどこからやってくるのかを見極めないと、いけないのだなぁ、と。中東は今も昔も、人類にとっての試金石になっているのかも知れないです。