pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

『鎌倉殿どうでしょう』

 Twitterでそんな言葉が流れてきた時、なんぢゃろな、と思って『鎌倉殿の13人』第6話を見たのですが、ああ、そうですねー。大泉洋さんのぼやきが炸裂してもおかしくないシーンがいっぱい・・・あと、和田は和田、とかね。悪いこともいい事も、和田って感じ。そして群衆の中で顔が映らないけれども、一人だけ苦虫潰したような顔をしているだろう三浦義村が想像できました。

 次回ぐらいが転機になるのかな。

 『平家物語』第5話を見て、以前『木村昴(アニメの平知盛)が木村昴(大河ドラマ以仁王)を討ちに行く』というのがTwitterで流れてきて、設定を確認してそういう事かと合点はいっていましたが、ちゃんと知盛くんの活躍が見れて良かったです。重盛亡きあとの平家に歯止めがかかっていませんねー。そしてできる人は早々とご退場してしまう・・・アニメでの平重衡の扱いを見ていたら、そんな事を感じました。

 両方とも次回が楽しみです。

 んで今日はこちらの感想を。

 

 戦後の首相としては2番目に長い在任期間だった人です。何気に安倍晋三氏が累計で勝ったらしいけれども。この人の後の田中角栄の印象が強いのですけれども、あちらは収賄事件で失敗していますね。この方はそういう政治危機を乗り越えて、気が付いたら長期政権になっていたという感じ。

 実兄に岸信介がいますが、結果的に同じ党に属しても政治的には別路線だったようです。とはいえ誤差の範囲。戦前は鉄道官僚でしたが、戦時中に左遷人事みたいなものを受けたようで、GHQのパージには合わずにすんだみたい。吉田茂に師事して、その政治的後継者の一人になります。

 この方の政治課題は沖縄復帰に尽きるでしょうね。それが政治家として、首相としての役割だと思っていた節が強く、並々ならぬ努力を払いますが、どんなことにも気に入らない人たちはいるようで(つまり米軍基地が存在したままの日本復帰などしない方がマシ、という人々)、ベトナム戦争から起こった反米運動もあり、全ての人に歓迎される復帰ではありませんでした。『同盟国』アメリカからの領土復帰がここまで困難であるならば、準仮想敵国みたいなロシアとの北方領土交渉など、まず無理筋と考えた方が無難です。平和裏にはどうやっても無理。よっぽどロシアが政治的、経済的に困窮して日本からの援助を是が非でも勝ち取りたいって思わない限りは無理ですね。

 あと、この人の時代に学生運動やら左翼過激派の活動は沈静化していきますが、核になる人間を支持していた人々の思惑が、一体どこにあるのか、を的確に突いた政策をとっていますね。学生問題は大学運営の問題。左派を支持する人々は生活の安定・・・幸せになりたいですから。大学当局に自分の学校の問題解決する権利と義務を時限立法で与えた事と、『社会開発』という生活水準向上、福祉充実を図った事でそれに答えたと。

 ノーベル平和賞って政治的な思惑で授受されるもんだと思っているので、特になんとも思わないのですが、平和的に沖縄を日本に復帰された事と、良くも悪くも日本の政治を規定した『非核三原則』が評価されたようです。でもまぁ『非核三原則』はきれいごとではないのですけれどもね。様々な打算を聞こえ良いオブラートに包んでいるみたいなところがあるし、実質守るの無理だよね、というのも含まれている。

 派閥政治を嫌いながら派閥論理を利用したり、ただ首相を退任すると無派閥になって元首相として政府がフォローしにくいところを回ったりして、退任した後の方が忙しくて、そのせいで命を縮めた面もあります。身内だからなのか(奥さんの実家が松岡家らしい)松岡洋右を尊敬しているようですけど・・・まぁ身内に見せる顔と、やらかした政治結果は別って事ですかね。こういうのがあるから近現代の人の評価は慎重にやらないと怖いよなぁ、と思います。

 総じて古き良き政治家って感じの人ですね。