pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

一日遅れ

 いや、マンガの発売日から数えれば一日遅れどころの騒ぎではないのですが。

 

 新九郎、してやられっぱなし、という感じです。まだ二十歳を少しばかり過ぎたの若者ですからの。一次資料が残っていない時期・・・なのかな?この時は関わっていたらしいけど。

 義兄となる今川義忠が遠江で戦死しましたが、彼の戦争が幕府の支持を得られていなかったという事実が、残された今川家の面々に重く、特に義忠遺族に重く圧し掛かっているという解釈。んで家督相続争いですが、前巻より幕命に忠実で関東の戦乱に関わろうとする今川範満には駿東の国人や堀越公方扇谷上杉家宰の太田道灌が付き、遠江に利権を持ち、それを取り戻そうとする駿河西部の国人や今川一門が北川殿や竜王丸に付くという設定は、この後の伏線として上手いなぁ、と思いました。歴史関係だと、それぞれの支持集団について書いていないから、この後の展開を基に創作すると、こうなるよねーっと。史実も比較的近い状況かも知れません。

 元服し、家督を継いだ新九郎ですが、対外的には何の実績もない若者に過ぎず、調停役の部下という立場って、考えてみれば弱い。それに経験不足でもあるし(というか相手方の太田道灌が圧倒的な実績と存在感がある)、やられっぱなしになるのも仕方ないところですが、ここでぶっこんできましたねぇ。「僕は、あの人に勝ちたい!!」・・・正直、アムロに対するランバ・ラルよりもデカイ壁ですがな。あっちは地位、軍事指揮権限、それに加えて教養、経験、資質と備えている存在。新九郎にあるのは資質ぐらいしかない・・・あるとしたら、だけど。まぁ、あるんだけど。

 たぶん、この太田道灌にしてやられた事で発奮して、新九郎は和歌や禅の教養を積んでいく事になるのだろうなぁ、と思います。伊勢宗瑞としての活動期の、支配組織構築やら文化的素養からすると、相当勉強していますからねぇ・・・それで婚期が遅れたとか、そういう解釈かしらん。彼の初婚は三十歳ぐらいだろうと言われていて、上級武士階級としては、遅い部類になります。勉学と仕事に追われて、それに結婚を世話する人も身近にいなかった可能性もあるし・・・というか、親父殿はすっかりやる気なっしんぐみたいな状況なので、彼が世話しなければ、本家筋の伊勢貞宗ぐらいしかいないよなー。父親の正妻は亡くなっているし、産みの母親は叔父に嫁いでいるし、その叔父はなーんか社会的立場が危うい状況になっていて、他人の世話をするどころでもないし・・・

 次巻以降、どうなるんでしょうね。楽しみです。