pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

小四郎が笑ってない

 衝撃の前回を受けて『鎌倉殿の13人』第十六回は、いよいよ義経が活躍していく場面の連続。んが、それよりも木曽義仲の去り行く者の爽やかさが割と残りましたね。いい奴は死んでいく・・・という路線なんだろうなぁ、このドラマ。それに前回の件を引きずる主人公小四郎が一度も笑わない。義経の戦の才能に感嘆するも、まったく笑わない。あと、梶原景時の位置がサリエリだーってTwitterから流れてきましたが、そういう、嫉妬よりも賞賛が勝るという複雑なキャラクターとして描くのでしょうね。あ、サリエリっていうのは映画『アマデウス』で軽薄下品な天才音楽家モーツァルトの才能を嫉妬混じりで全面的に認めながら、モーツァルトを精神的に追い込んでしまう役割・・・だった筈。あの映画も衝撃的だったなー。

 来週も楽しみです。

 土曜日はボドゲで推理ものをメインに遊びました。騙し騙され生きるのさー、みたいなゲーム。やりなれると面白いのだろうなぁ、と。ビリヤニで一本空けるのはデフォになってきた。そして見たもの。

 あ、『ザ・オペラティヴ』って映画なんですけどWOWOWで放映したものを録画して見ました。日本非公開?円盤の商品化もされていない。いや、でもwikiを見る限り吹き替え版が存在するみたいなので、なんらかの形で日本公開はされているのか。

 一つのところに留まらずに、かつて付き合っていた男性と一時期過ごしたイスラエルにシンパシーを覚えた、ぐらいの女性が、名義貸しから初めてイスラエル諜報機関モサドに関わり、スリルを味わいながら生きる事を楽しんでいるみたいな。

 その中でイランの核開発阻止を目的とする一連の作戦に関わり、テヘランで過ごすうちに、作戦のターゲットと深い仲になり、愛してしまい、彼を強迫によって協力者に仕立て上げる事に罪悪感を覚えて、組織を裏切る行動に出るという・・・まぁ派手なアクションはありませんが、なんというか、この女性もアレだよなぁ、とは思う。何故かというと、彼女の指揮官役をマーティン・フリーマンが演じているので。

 この方、TVの現代版『シャーロック・ホームズ』でワトソンを演じていますが、他にも『ホビット』で主人公を演じたり、少し頼りないいい人って役柄が多くて、他の映画やドラマに出演しても、どうしてもそんな印象。女性の方にもいまいちモサドを信じきれない、そんな作戦があって、まぁ作戦対象に情が移るというのも理解できない訳ではないけれども、振り回されるのがマーティン・フリーマンという段階で、彼女が巻き込まれたというよりも、自ら逸脱していった迷惑な存在にも見えるから不思議。まぁ経歴とかで嘘をついて、それを「ちょっとしたこと」とか言い出すところが、この人、諜報員に向いていないよね、と。対外的に嘘ばかりの世界だから、味方に対しては誠実でなければ信用されないのに、そういう事を軽く考えているんですよ。

 最後のシーンでマーティン・フリーマンは組織から身を挺して彼女をかばうけど、なーんか可哀そうなんだよねー・・・そんな価値、この人にあるのかな?って感じてしまうけれども、そうしたくなる何かが、この「不誠実」な女性にはあったのかも。

 不思議な印象の映画でした。