pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

二十年ぶりかな

 新装文庫版が出たので購入し、ようやく昨夜読了。

 

 二十年前に最初に手にしたのはソノラマ文庫版です。その時は普通に読んで、続編でるかな?と思っていたら朝日ソノラマ自体が朝日新聞に吸収?されて、朝日新聞社の新書で再版されて、ま、それは大人の事情によるものだから買わなかったのですけれども、今回のシリーズ再版は、続編が発刊される下準備という事で、それにコンパクトな文庫版なので買ってしまえ、と。たぶんソノラマ文庫版は書棚の奥にあるよ、たぶん・・・

 今回は国家が秘匿していた深宇宙(というても宇宙全体の視点から見たら太陽系のお隣さんみたいなものですが)で発見されたものを確認して公にしてしまうというお話。サスペンスになるかな?と思ったら未来につなぐ結末になりました。

 この本にのっているエピローグって当初からありましたっけ?ラブラブなお二人さん・・・しかしまぁ、続編は成人した二人が引っ張っていく形になるのではないかなぁ、と思ったりしたり。何十年単位の歳月がかかる宇宙探査の話ですから、二人が結婚して老年になっているパティーンは十分あったり、ひょっとしたら二人の子か、孫の世代の話になっていたりしてね。

 スペースオペラで超光速航行を使用せずに物語をつくるっていうのは、結構大変で、登場人物に延命処置させるか、冷凍睡眠させるか(この本でも、ちょろりと出てきて大騒ぎになっています)しないと、そして宇宙船内とそれ以外の時間の流れのすれ違いを描くのがネタの中心になるのですが、どーなるんですかね。『星のパイロット』のシリーズでやるって事は単発で終わる話でもなさそうですし。

 よーつべとかで宇宙開発の現在進行形解説を見ていると、財政問題、技術的な問題、政治的なトラブルと、宇宙開発というものは様々な障害があって、自分が子供の頃にはとっくに月に基地とかあっても不思議ではないと思っていた2020年代になっても、人類は衛星軌道上から外側に長期間滞在する事はできません。アポロ以来、月に人が行った事もない。宇宙ステーションで長期滞在すると、いかに大気圏外で長期間生きるという事が難しいのか、改めて実感できますね。地上と宇宙の往還が、まずそこからして難しい。スペースシャトルが当初から経済的に落第点と解っていて、政治的な目的で運営されていたとか、その運営に頼りきりでNASAがロケットを開発してこなかったとか(というかスペースシャトルが金食い虫で、政治的にも「万能機」扱いだったから予算が得られなかった、ともいう)、色々の事が歯がゆい。もどかしい。技術的にできても経済的に間尺が合わないとできない、という現実との戦いが、宇宙開発にもある訳で。

 そりゃそうだよね。それがないとお金を着服、浪費されてしまうもの。

 そんな事を考えたりしました。