pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

今日は新書部門

 読み終えた本が何冊かあるので昨日は漫画でしたが、今日は新書です。月末で配達も請求書締め作業もあるけど、今日発売の新刊漫画もあるので、買いに走れるかどうか、タイミングによるかな。

 それはともかく、

 

 著名な清盛の武家平氏以外にも公家平氏が数多くいるというのは知っていましたが、ちゃんと知っておこうと入門本ですけれど読みました。

 平氏も源氏も皇親が臣下に下った時の賜姓であるのは知っていましたが、その区別がいまいち曖昧で、どうも二世王までに下されるのが源氏、三世王以降が平氏らしいです。今上天皇との親疎によって変わるという方が理解しやすいかも。なので一代目の源氏は皇族扱いで、議政官、運が良ければ大臣にも登りますが(そのこの世代になると運と実務能力がなければ難しくなる)、一代目の平氏は公卿になるのも最晩年とかそんな感じで出世は難しい感じ。代が下ると実務官僚として地位を維持した家が公家平氏として生き残っていくみたいです。

 武家平氏の方は摂関家など最上級貴族に奉仕する存在になり、富裕と武力を梃に地方で睨みを利かす大将軍職に就いていきますが、同じ路線の河内源氏との競争に一旦破れます。一旦、というのは源義家期から河内源氏は失態を繰り返し、没落。その隙間を縫うように白河院に接近して働いた伊勢平氏が院近臣として地位を固め、そして清盛と後白河院の提携で権力を握っていきます。その権力の源泉は公家平氏の出である清盛後妻時子、その姉妹で後白河院の寵愛を一心に受けた滋子の存在で、武家平氏単独ではなく公家平氏という媒体があってこそでした。これを差して著者は武家、公家平氏の連合体に『平家』という呼称をつけています。「平家にあらずば人にあらず」の「人」は、たぶんに後白河院と清盛の身内、つまり権力者に登れる人、という意味なんですかね。

 武家平氏は公卿になりますが、財政と軍事に長けた彼らも、朝廷儀式の儀礼やら事務処理能力やらは公家平氏を頼らざるを得ず、彼らが朝廷に地歩を固められたのも公家平氏との提携あっての事。そして清盛独裁は思ったよりも短く、後白河院との提携が破綻して、彼と近臣勢力を排除した挙句に成し遂げたもので、独裁という言葉の強さとは裏腹に人材的には誠に寂しい限り。平家の栄華といっても、柱となる壮年以上の人材はなく、全て清盛の息子や甥、そういった若年層。清盛の死とともに脆くも崩壊というのも仕方ないかも。

 武家平氏は壇ノ浦で滅亡しますが、実務官僚である公家平氏はその後の時代を生き抜き、明治維新まで続きます。何がいいのか分かりませんね。

 あ、坂東武者が平氏の末裔を名乗るのは、その武勇にあやかっている場合もあり、鎌倉北条家を始めとして、本当かどうかは解らないらしいですよ?

 あ、この一冊で千字こえてしまた。ではもう一冊はまた来週~。