pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

疾風の様に~♪

 四十年ぶりに全話通して見ました。

 

 リアルタイムで見ていた子供の頃は、そんなに好きではなかった記憶があります。後番組の『聖戦士ダンバイン』や『重戦機エルガイム』の方が好きでした。しかし三十代過ぎた頃、両作品をDVD-BOXで購入して見てみると・・・んー??思い出補正がかかっていたのか、なんか釈然としなかったのですよね。ダンバインは主人公側が旧守派みたいな価値観で、敵側は過酷な競争原理がある(ように見える。逆に言えば手柄を立てれば誰でも立身出世ができるとされている)とは言え近代的な考え方で、便利なオーラ・マシンを発明、実用化し、異世界バイストン・ウェル産業革命を起こしたようなもの。のこにバイストン・ウェルは魂の安息地だから近代化とか競争原理とか、そういうのを持ち込むのはアカン、になるのだけれど・・・中世的封建世界が幸せなのか?と思うと袋小路に迷い込む。

 エルガイムは、なーんか脚本の繋がりが悪い部分があって、それが気になってしまうのですよ。一人の人間が全ての脚本を書いている訳でなく、複数の人間が手分けして書いているので、そういう物語上の齟齬が発生してしまう時がある。それが気になる・・・

 んで五十もこえた、おっさんがザブングルを見ると、別に悪くない。もちろんコメディをドタバタとしか描けなかった、という製作者側の反省も解るけど、登場人物たちのあっけらかんとした前向きなバイタリィが眩しい。悔しいとか怒りとか、説明できないけれど爆発する行為が、鬱陶しくもあるけれども「そういう時もあるよねぇ」と思う自分もいる。

 富野由悠季さんは当時から「全滅の富野」と言われているぐらい手掛けた作品で登場人物の大半が死んでしまうのだけれども、この作品は主要レギュラーはほぼ死なずにラストまで行き(甚だしい事に主人公が登場するきっかけである両親の仇ティンプさえ死なずに最終回を生き延びる)、敵役たちも何処か憎み切れない可愛いところがあり、楽しかった。もちろん物語的には落ち着いたドラマ展開、演出がないので薄いって感じがするのですが(支配階級イノセントへの対抗組織ソルトがいまいち良く解らなかった)、ミーハーな動機で一生懸命になる人々も可愛くて最後まで見ていて飽きなかったです。

 たしかプラモデル化されていたけれどガンプラほどはやらなかったナ。たぶん原因は作中のセリフでもあるように敵味方同じようなマシンに乗っいて、カラーの区別も分かりにくく、つまり特徴的ではなかったからかな?今もあんまり見分けられなかったもんなー・・・まぁそういうところがもともとの仲間が、ノリと勢いで敵味方に分かれているだけで、あんまり憎悪が残らないドライな感じのまま、ラストシーンに繋がったのかな。

 『未来少年コナン』がやりたかったみたいな話、スタイリッシュコメディがやりたかったという話も聞きますが、そういうのがのちの作品、特にスタイリッシュコメディは『カウボーイビバップ』みたいなものになっていくのかな、と思ったりしたり。