pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

禁忌を破ると・・・

 決まり事には理由があるという事ですねー。

 

 巻末のシーンを思い出しました。決まり事にはすべからく理由があり、それを破るとパンドラの箱を開ける事になるかも知れないっと。

 表紙のアガットが自力で思春期のもやもやを克服したのがヨカッタですねー。二人はきっと親友になるよ、たぶん。あとは俗世の王がやたらと向上心旺盛で、色んな事を知っており、叶う事なら魔術も学びたいけれど・・・って思っているのは理解できた。そしてそれを俗人が取得する事の危険性も弁えている。これは安全弁になりそうな王様ですなー・・・ただ不安要素は愛妻の王妃が妊娠中って・・・ああ、これ、巻末トラブルに王妃が巻き込まれて、お腹の子ともども助けてくれ、みたいな話に繋がりそうで不安ですな(ワクワク

 あとは主人公の作った魔法が便利に過ぎる。創作における水の魔法って、あったら便利なものが多いのですよねー。今回は汚水を清水にして下水に自分から移動するというお素敵魔法。以前に見たのは、部屋の埃を自走して収拾する水の塊・・・便利すぎる!!

 次巻も楽しみです。んで、もう一つ読み終えた小説。

 

 読んだのは図書館のハードカバー版です。Twitter上で文庫版発売の時に話題になっていたので気にはしていたのですが、とっかかりが1970年代カンボジアだったので、SF?と感じたものですから、その時は見過ごしました。今回は図書館で見つけたので読んでみる事に。

 ええっと政治を善意でやるとろくなことにはならない、というのが持論でござりますが、人間が真理だと思い込んで実行する事もろくでもない結果になり、ポル・ポト政権の虐殺という奴もそういう事であったと。善意は言い訳にはならないよなー。その人にとっては善意かも知れないけれど、他人にとっては害をなす事は多々ありますからなぁ。

 題名の意味が解るのは後半からで、カンボジアの悲劇や不正は全てが背景に過ぎず、二人の人間が、『楽しいゲーム』をやり続けたいという欲求が全てであったのではないかなぁ、と思ったりします。SF要素は脳波とかバーチャルゲームとか、年代設定とかにありますけれども、それは関係ないような気もします。空想の中、あるいは夢の中で二人がゲームする、というファンタジー展開だって問題ないし。

 だからこの話は「S(少し)F(不思議)」というカテゴリーなのかもー、と思ったりした。

 そういえば作者の小川哲さんは今年賞を取られたそうですねー。おめでとうござりまする~。