pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

ネタは好きなのですが

 本の文章というか何というか、そういうのがアレなものでした。

 

 子孫が口伝で聞いた藤原道長やその家族の逸話を集めた本です。なので家族の内部で語られた話が、では本当に彼、彼らが口にした言葉なのか、という可能性が高いぐらいでしかないのですけれども。孫の孫である藤原忠実は直接道長に会った事はなく、祖父とかその姉妹が語った話からの伝聞なので、参考にすべき偉大なる先祖って感じなのかと思うのですが、意外にも藤原忠実道長の息子頼通の方を尊敬していたそうです・・・え?

 歴史的なイメージでは頼通って父親の七光りで摂政になり、父親亡きあとは天皇家の長老になった姉彰子の後ろ盾で政権首班を延々と、半世紀以上務めたという「パッ」としない、頼りない感じなんですが、でも振り返ってみればそれだけの長期政権を維持したというだけでも大したものではあるんですよね。地方の騒乱が中央に波及する事はなかったとは言え、この人の執政中に『平忠常の乱』と『前九年の役』とかあったと思うので、それを乗り切っているから、子孫が尊敬するというのも、まぁそうかなぁって。

 まぁ判断基準は現代と平安末期とでは違うからねぇ。

 道長家族の意外な素顔を覗ける本でした。

 

 名前は聞いた事あるのですが、具体的に何をやったのか知らない人でした。『植民地』台湾の支配統治を軌道に乗せて、台湾の近代化に尽力した時が、一番輝いていた人、らしいです。後藤新平の評伝というよりも著者が興味を持っているところを半分小説仕立てにした本って感じで・・・ええっと、スマナイ。解りにくい。

 清朝が支配していた時期の台湾って、まぁ放置状態で、地域の豪族が好き勝手やっているので、それを統制しようとした清の役人が失敗した・・・という土地。そしてアヘンが全ての嗜好品や医療を押し流し、アヘン中毒者が充満している土地だったようです。彼や上司の児玉源太郎、そして衛生関係、鉄道関係に尽力した関係者の努力が、台湾の近代化を、そして現代までつづく親日国を創ったとも言えます。

 人間的にはアレな人らしいけれども。

 日清戦争のところの日本の政治家や官僚って、結果的に良心的な仕事をしている感じですね。日露戦争の『勝利』がそれを狂わせたみたいな感じはあります。浪漫で無計画で、夢想的で、「大国ロシアに勝利した大日本帝国」っていうお気持ちが日本中に充満して、どうやって辛勝したのかという事を考えもしなくなっている。この夢見心が満州事変、日中戦争、太平洋戦争という破滅へ向かわせるんだよなぁ、と。

 ちなみにこの後藤新平という人も壮年期までの合理的な考えは老年期には消え失せ「老害か?」みたいな人物になっています。日露戦争の「勝利」は日本人指導者階層を老害化させたのでしょうかねぇ・・・