pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

訃報

 そんな題名をつけたのですが、昨日訃報が届いた森村誠一さんの作品って、実はまともに読んだ事がなかったりします。この方の原作小説で映像作品が盛んにつくられたのは80年代~ではないかと思うのですが、その頃ティーンズであったアタクシにとっては、その表紙絵の傾向もあってミステリーはグロいもの、というイメージがありました。映画化もされた証明シリーズって、どうもそんなイメージが強く、「野生の証明」なんて弱肉強食な感じがして、近寄らないようにしていたみたい。

 今でこそ、かなり凄惨な物語も楽しめるメンタルですけれども、中高生の頃は、やっぱり主人公が幸せになる物語が好きですからねぇ。だから『三国志』も最初読んだ時は劉備を主人公認定しているので、そり勢力が負けていくのが気に入らなかったですね。その後、曹操を主人公認定して司馬一族にやられていくのを見て、まぁその頃になると歴史の変転で勝者なんて定まる事はないよなーっと思い始めたので、そういうところは切り離して考え始めましたが。

 その後、森村誠一さん原作のTVサスペンスものが多く放映されて、なんか『粗造』ってイメージがついてしまい、それ以来、結局ちゃんと全編通して読んだ作品はなく今日まできてしまった訳で、亡くなったから読むというのもアレですが、んぢゃあ、今度は何を読むべきなのかって話になり、ちょろりと考えなければなりませんね。

 ご冥福をお祈りいたします。

 んでこっちは読んだもの。

 

 電子版が一番最初にあったので。戦争はやっていますが事件的な殺人は取り扱っていませんので、ハートウォーミングなお話が満載ですよ。ある意味、殺人が日常に起こり過ぎているので、そして犯人も判っているので(だいたい敵軍の兵器によってしんでる)、そういう事が問題にはならないのですが、この漫画自体が軍人だけれども外交の末端を担う将校の話ですから、どんなヒドイ命令もだいたい人脈構築につながる事になっています。観戦武官として最前線の、塹壕戦線に行くことになっても、その最悪な経験を共有するという事が話題のプラットホームになりうるので経験する事は地獄の体験ですが、前線指揮官たちとコミュニケートを取る際には、入り口を提供してくれる訳です。あくまで将校たちとの話で、よりヒドイ体験をしている一般兵たちとはどうか知りませんが。

 主人公たちは中立国の立場で、つまり交戦国たちからは憎まれたり疎まれたりしますが(味方にならずに、死の商人よろしく双方に物資を売って儲けやがって。こいつら~って思われる)、それでもお付き合いという事をせねばならず、大っぴらなお付き合いはできないので身分詐称する(でも相手も正体は解っている)状態でお相手するという、なんともハートウォーミングな状況になりますわな。

 そんな状況で次巻はどうなるんでしょうねぇ。楽しみです。