pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

初めて買った

 宮内悠介という作家さんがいらっしゃるのですよ。割と好きな作家さんで書棚に見た事ない作品が並ぶたびに手に取っていたのです・・・図書館で。好きなんだけど、ええっと購入するまでには至らなかったというか何というか。じゃあなんで今回買ったのかというと・・・なんでだろ?ちょうど新刊発売のタイミングで本屋に行ったら書棚に並んでいて、それで気が付いたら手に取っていた・・・そんな感じ?

 

 読み終わると全体的にぼんやりしているんですよね。一体主人公は何がしたかったのか。結果として何もなしえず、場当たり的な処方薬のおかげで精神的に追い詰められてしまったアーティスト志望の恋人の為にやりたかった事も、結局成すことできず、挙句に、離れている間に恋人とも価値観が異なって別れる事になり(別の道を選ぶ事で恋人は恋人なりに回復していた)、読後の感想は乾いた悲しみ・・・達成感?なのかなぁ。謎な事を書いていますな。

 アフリカのとある架空の国E国は、何もないが故に独立を果たし、何もないのでカジノで外貨獲得を図り、歪な経済構造で存立する国となりました。空路以外での入国は推奨されず、貧しい街並みにそぐわないバベルの塔のようなカジノタワーが何十階もの高さで立っている。階層が上がると超富裕層向けの、超高額な賭博が行われ、まぁ正気の沙汰ではなく、最上階では『国王』相手にE国そのものを賭け金にした勝負も行われているという。

 版元が集英社・・・ジャンプマンガで良くある設定だなぁ(あ

 主人公はこのE国を恋人を含めたメンタルケアを引き受ける国にするという野望を持って最上階を目指す。行きずり旅人から相棒を得て、カジノで資金を増やしつつ、階層ボスの手助けを受けたりしてドレスコードみたいなものをクリアしつつ上がっていく。その登場人物たちの経歴とか物語とかが自分好みでいいです。

 だいたいラスボスは最上階にいるものですが・・・そういうのでは面白くないぢゃないですか。つまりそういう事で、一筋縄ではいかないストーリーテラーなところがアタクシ好みなんですよね。

 んぢゃあなんで今まで購入した事がなかったのか、というと図書館で読めたから、というのと、好みなんだけど、購入に踏み切る為の何かが自分としてはなかったような気がするんですよね。この話も好きなんだけど、単行本にはなかった話が末尾に加わっているんですけれども、さて何年も手元に持ち続けるか、というと、どうかな?って言うのが本音。

 どうなのかな?どうなんだろ。