pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

可視化

 十九世紀鉱山の状況を絵で見る事ができた、かな?

 

 『軍靴のヴァルツァー』で出てこないなぁ、と思ったら『軍靴のバルツァー』になっていたのですね、題名。出版社が変わってしばらく経つのに気づかなかった。版権の問題で題名変更しないと違う出版社では本出せませんから。本屋で購入した時、以前の出版社のコミックが置いてある棚でうろうろ探して見つからなくて、店員さんに聞いたらすぐ裏の、今の出版社コミックスが並んでいる棚にあた。オイオイ・・・

 と思ったら最初から『軍靴のバルツァー』ぢゃん!!自分の思い違いか。まぁ人の記憶なんてあてにならんものよな(とバツの悪さを誤魔化そうとする

 あ、さて。士官学校のせんせであった主人公も、無事戦時中にも関わらず生徒たちが卒業という。二年経過して「お前誰?」というのが最初に出てきて、えっ、あの丸っこい子がこんなイケメンに?という・・・まぁでぶキャラが痩せたらイケメンというのは良くありますが、久しぶりに見たなぁ。

 戦争は膠着状態の陣地戦、そろそろ状況を打開したい双方ですが、機械化を進めようとするバルツァーに対して、それが片目のテロリストは「それは人類を次のステージに導いてしまう。危険だ!!」いい「もう少し待ってくれれば人類は追い付く」とか変な事を言い出し、んぢゃあ何をやっているのかと視点を変えると・・・もっとヤバイ事を企画しているぢゃないか、この男。

 鉱山から始まる革命運動!!みたいな?以前に、それこそバルツァーの級友時代に逃亡生活中に鉱山に潜り込み、賃上げ、生活環境改善を掲げたゼネストに参加。そのままで内部分裂してしまいそうなところ、知識教養と行動力にものを言わせて株取引業者と結託し鉱山会社の株式を下落させ、つまり経営者を退陣、ゼネスト側が主導権を握る体制に。しかし経営者側に内通した『裏切者』に対する処分がエグイ。発案が片目テロリストを崇拝する少女ってところがまたエグイ。銃殺なんて生ぬるいって、そんな炭火あぶりだなんて、今まで見た中で一番残酷な〇し方やん・・・遠赤外線でじっくり・・・うへぃ・・・描写的には素足で赤く焼けた石だか石炭だかに乗せられるって感じでしたけど、そんな事を想像してしまた。

 先日ペケッターで右巻きの友人と戦前の日本の状況とかやりとりしていた時に思いついたけど、大正期から始まる軍部の暴走って大国意識で自尊心を膨らませた選挙民の世論が後押しているのではないかと。大正期は民主政が機能していた時代だけど、それが次の軍部独裁への準備をしてしまったのなら、民主政故に破滅の坂を転がり始めたのか?とも思ったりしたり。まぁどんな政体だろうと、それを構成する人次第で良くも悪くもなるもんだけど、片目テロリストが民主革命を人類が正しく判断できる次へのステップって考えているなら、危うい人だなぁとか思う。著者がそう描いているからなんですけれども。

 次巻も楽しみですね・・・出版社、ちゃんと覚えよう・・・