pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

最近大人買いを良くする。

 ぺけったーっで回ってきた宣伝に引っかかっているとも言いますが、この作品もそうですけど『魔女と野獣』も一巻が発売された時は購入を見送っているのですよね。本棚に入らないからって。んで今となって買っているのは、本棚に余裕があるからとかではなく(平積みが増えている)、そういう自制リミッターをぶっちぎっているからです。はい。欲望を抑えきれなくなっている。皆、逃げてくれ!!(何のことだか

 

 三巻まで購入して読み終えました。中世ヨーロッパ。プランタジネット家が広大な領地をフランス王フィリップ二世に奪われいる時代です。失地王ジョンが身内切りしているとばっちりで、仇討ちとか言う話になっております。男装で腕の騎士としての腕が立つ令嬢と、庶民出の紋章官の物語。読者は二人がかつて知り合いであった事を知っているけれど、本人同士は記憶が曖昧で解っていない、というパティーン。つまり読者がにやにやしていると言う奴。

 この時代の空気感を可視化しているというが有り難いというか、騎士は脳筋だよな、とか、こすっからい奴は一杯いるよな、とか、文字が読める人間は貴重だよねーっとか。特に紋章官は文字だけでなく紋章を見て何処の誰なのか判別し主君に報告する重要に役割。振り返ってみれば自分、紋章官が主人公、あるいは重要な役割を担ったお話って、あんまり接していないな?

 主人公くん、割と上級貴族にも親しく話をしちゃう人ですが、直接の主君は七十超えの老騎士で、背骨を折ってしまったので引退を決意。んで女領主の摂政を務めていたから、その関係で女領主どのとも主人公は(身分差はあるのでそういう遠慮はありますが)親しくしている感じ。ただし腕っぷしが立つ訳ではないので(四六時中、人殺しの訓練している人たちにかなう筈もなく。そんな時間があった資料とにらめっこの日常でしょうから)、腕の立つ先輩たちから腕力による可愛がりを受けているようです。ただ危険な時は主人公を後方に下げようとするので、隙あらば危害を加える、という感じではないですけれども。

 創作のいいところは、歴史上はグッバイしている人でも身分を偽って生きている事にしちゃって、別人として生きているって設定も許される訳で。リチャード獅子心王庶子獅子心王最後の妻にモーションかけているとか、ジョン失地王にぬっ殺された筈の甥っこが生き延びていたみたいで、それがわざわざ探し出されて、ぬっ殺され直されているらしいってのも気になります。

 最新刊の三巻が最近出たばかりで、過去の発刊ペースからすると次巻は八か月後みたいな感じです。完結まで続いて欲しいですねぇ。