pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

弟の正体

 今までの話の中で端的に主人公の弟が『ヤバい』事が語られてきましたが、主人公からすると理解できない行為・・・自分を死んだ事にして実は生きている。警察官で弟の『犯罪性』を追いかけている人間がいる。そして弟に関わって生きている人々は口々に言う危険性・・・そして改めて、自分が弟の事を何も知らない事に気づいて、弟の生い立ちを追いかける度に出ています。

 

 主人公兄弟の両親の影が薄いと思っていたら、共働きっぽく母親は亡くなっているようです。主人公に対して母親は親らしく付き合いますが、弟に対しては毒親っぽい。話を聞かないし、一方的に対処して虐待スレスレの行為を行う。振り返れば母親は弟の危険性を察知していて、無意識にそういう態度をとっていたのかも知れないし、もしかしたら弟が最初に『死』に導いたのは母親であったかも知れない。

 学生時代はクラスメイトや学校の人間を魅了する。それも相手が独占したがるような形で。その麻薬のような危険性を感覚で察知した人間は遠ざかる。魅了された人間は深みにはまりこみ、我に返ったり批判的に弟に接触すると・・・消えていく。直接彼が手を下した物証はなく、エピソード的に見える演出では、自尊心というか、自我というか、生きる支えというか、そういったものを輪切りにされて、生きる気力を失い、事故か自殺か、そういう状況に自らを追いやってしまう・・・ように見える。

 それでも主人公は弟を助けようとしていますが、はて、どうなるんでしょうね。次巻も楽しみです。

 

 白黒画面なのに、毎回美味そうなんですよね、料理。問題は、この料理が食べられる居酒屋とか洋食屋とかダイニング・バーとか、よーしらんって事なんですよね。そういう店を足しげく開拓する気力の問題かのぉ・・・

 

 書店の書棚で見るたびに、いつか読もう、いつか買おうと思っていてようやく購入して読んだ・・・と思うですよ。たぶん図書館で借りて読んでいない筈。日記を読み返して確認していないから、確かな事は言えませんが(あ

 平安時代は家柄と本人の実力がなければ出世できない、という世界で、例えば親が摂関という最高位に登ったとしても、スタートラインは高くても、儀礼を取り仕切ったり、判断が悪かったり、根回しが行き届かなかったりすれば、つまり「アイツはできる。頼りになる!!」って思われないと出世はできない、と。

 しかしそれは貴という最高位の連中の話で、通貴と言われる諸大夫層は、キャリアのあがりでようやく貴、三位になれるという感じ。その下の侍(貴人に仕えるという意味で武士だけでなく文士もいる)なんか、仕事ができると、ずーっとその部署から離れる事ができず、出世も何十年も懇願してようやく叙爵、五位・・・通貴になれるって感じ。有能な人は儀式を仕切る事に欠かせないから、動かしたくないって意識が働くんだろうなぁ。現代の会社でもよく聞く話ですな。

 歴史書籍の業界って大河で取り上げられると追い風になって企画が通るような気がするので、こういう自分が良く知らなかった世界が解りやすく紹介されるのが楽しいです。来年は江戸中期だから、その分野の書籍が増えると楽しいですねぇ。