pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

ミステリ・ガンダム

 それが発売された時は「人狼ガンダム?またぞろ、ぼくがかんがえたつおいガンダムが登場する奴なんでしょ?」と思ったので気にも留めなかったのですが、本屋さんでお試し版に触れたら、思っていたのと違ったので買いました。

 

 貼り付けを探していたら二巻が出てきたので、え?と思ったら今月二十六日に発売されるのですね。びっくりした。

 舞台はZガンダムの、アクシズが帰還して三つ巴戦が展開。シロッコがクーデターを起こす前のティターンズに属する、それもバスク・オム大佐麾下のペガサス級揚陸艦ガンダムものお約束の新型試作機のテストを行う予定で宇宙を航行中にエゥーゴの、百式を含む部隊に強襲され、護衛のMSマラサイの部隊は全滅。推進器を破壊されるわ、戦死したものの中に保安部隊が含まれるわ、つまり、漂流して救援待ちの宇宙船という、密室状態、警官不在という、推理小説スキーにはたまらぬ状況。その上、同盟関係にある筈のアクシズの部隊まで攻撃してくる始末。それは命令違反を犯してまで新型機を動かしたパイロットによって撃退できたものの、帰還したパイロットはコクピットを出てくる事無く射殺体として発見される。コクピットハッチのログを調べると、パイロットの乗り降りしたタイミング以外は射殺体発見時以外にはナシ。密室の宇宙船の中の密室殺人事件ですよ!!

 被害者であるパイロットは新型機のテストパイロットに選ばれるぐらいなので『エース』らしいけど、人格的には問題ありで、数々のハラスメントを仕掛けており、皆見て見ぬふり。それどころか保安部隊が全滅している事もあり、真相の判明なんて不可能と見た艦長の「十二時間後に犯人投票して、一番投票を得たものを吊るす」宣言が出る始末。人狼ゲームぢゃん。

 そのままでいればパワハラを受けていた立場の弱い整備士が吊られる事は明白であり、そして同じようにセクハラを受けそうになっていた補欠パイロットも、それを他人に相談していた事から容疑者として吊られかねない。艦内での立場が弱い二人が探偵役となって真犯人を突き止める。というもの。

 あのバスク・オム麾下の艦とか、エゥーゴアクシズに航路が漏れて奇襲されるとか、胡乱な事が一杯で、おそらくスパイも紛れ込んでいる。探偵役の娘・・・もしかしたらそういう役目を負っているんぢゃないのかしらん。実はシロッコの息がかかっているとか、ありそう。

 ガンダムものって『新型機』とか『戦闘』に焦点が当てられている作品が多いのですけれけど、こういう推理ものっていうのもいいですよね。絵柄が自分好みなのもありますが。次巻が楽しみです。

 

 その、戦闘とか新型機とかが焦点になっている物語も大詰めです。ソーラ・レイの狙いは外れたけれど、二撃目のエネルギーは充填されている。しかし『南洋同盟』側の元々の計画ではなくカーラの個人的な復讐・・・一国家消滅を目論むという狂気の沙汰にすり替わり、もともとの計画者は殺されてしまうという・・・連邦側の小母様科学者・・・強化人間として育成された『彼』を育ててきて、寿命だからと遺棄された存在・・・彼女なりに愛して育ててきて、残された余命を平穏に送って欲しいと願っていたのに、独善的な未来を夢見て巨大なテロ組織首謀者になってしまったけれども、その死を知って涙を流す姿を見て、愛する者を殺さなければならなかった彼女の感情というものが、すみません、好物です!!(人でなし

 次巻、どうなるのかなぁ。決戦前編って感じですかねぇ。