そうか、そうだな。鶴田さんは続かない事で有名(自分的に)な人だからな・・・
この本を発売一覧で見つけた時、またか、と思いました。ええ、鶴田さん、また完結させないうちに別の話に手を出していますね、って。まぁそんなの、この三十年余りと同じことなので、特にアレですが。しかしこの本の帯に『二十一世紀の奇跡』って書いてあって、『楽園』って雑誌ですけど毎回落とさずに掲載されているんですって!!あの、落とす、行方不明になる(自分的に)で有名な鶴田さんが!!
まぁ後から考えると色んな話を描き散らしているようにも見えるので、そっか、そういう形式だから続いているのかなぁ、と。
鶴田さんと言えば自分の中では空と海と水没都市と美少女(あるいは美女)なのでして、これもその手の話だな、と。架空の南太平洋に浮かぶ半独立村(一応日本国には属している)の島に、かつてスペースシャトルの緊急着陸用という名目で、村おこし的にこさえて不相応に立派な滑走路を持つ空港を建てたけど、スペースシャトル計画は廃止。使い道のない空港がオーバースペックで残されて、かつての島の網元一族が代々受け継いでいる、という設定。しかし残されているのは女性ばかり。そして能力は優秀なのでいずれも村外、海外で活動していて誰もロマンだけあふれる空港管理なんてしたくない。
その中で飛び級で大学を出、ベルギーに本部がある航空管制なんちゃらって、まぁ航空関係の企業体に就職したうら若き女性が空港長をやっている、と。こう書くと過疎を憂いて孤軍奮闘しているようにも見えますが、そんな事はまったくなく、余暇の傍らに業務をやっているような人で、放っておくと簡単に裸族になるし、能力はあるけど人間の生活レベルでダメな人、という自分的にツボなヒロインです。どのくらいダメかというと裸族で徹夜ゲムしちゃうし、トップレスの女性はドリンク無料という浜辺のバーの洒落をそのまま実行し、ビキニパンツのトップレス姿でいつもただ飲みしているとか、惚れっぽくって、いつも失恋旅行しているとか(知人の世界中の航空関係者は皆慣れっ子になっている)、まぁダメな人です。
こんなんで生きていけているって優しい世界観も(実は優秀な能力も、宝の持ち腐れだけど持っているけど)、まったりしていて好きだなぁ、と。完結させて欲しいとは思うけど、完結させる必然性も考えてみればない物語ばかりなので、いっそのことナンバリングなどせずに、毎回違う題名で出せばいいのに、とか思っちまいました。
続刊出す気持ちがあるなら、気長に待ちますから。