pomtaの日記

だいたい読書感想か映画感想です。たぶん。

B級とA級の境目みたいな

 昨夜見た録り置きの映画はそんな感じでした。

 

 邦題はダサいですけど、シナリオも洗練されているとはいいがたいけれども、俳優さんも日本で知られている人は出てないと思うけれども、アクションサスペンスとして面白かったです。冒頭、胡散臭い男が僻地の警察署に拘留されるところから始まるのですが、この男が何故そんな事をしているのか、というのがちょっと飲み込み辛かったかしらん。しかしこの男を狙ってやってくる殺し屋たちが癖があって面白く、それを迎え撃つというか対処しなきゃならない羽目になったアフリカ系の女性警官という図式。この警官だけが警察署の中で唯一、リラックスモードと仕事モードの切り替えにメリハリのある有能な人物で、機転も利くし射撃の腕もいい。ラストのアクションシーンが、出血多量の割に動きすぎだよなぁ、とか思うけれど、アクションサスペンスの山場だから仕方ない。

 最近、こういう悪党の方が圧倒的に有能って映画が多いような気がしますが、悪党がドジだとコメディになっちゃうもんなー・・・あたしゃどっちも好きですが。

 期待しないでジャンルで録画してみてあたりを引くというのに出会った気分です。

 次、読み終わったもの。

 

 主に明代から近代、現代にいたる華南地域の話ですかね。忘れがちですが『中華帝国』って黄河流域から勢力範囲を時代の下るとともに広げてきた国で、北の遊牧民勢力とぶん殴り合いながら、南に移民して侵食していったという感じ。しかし南は無人の土地であった訳でなく、先住民たちを騙し討ちする形で侵食占拠していくのですが、その原動力は漢人人口爆発で、んぢゃなんであんなに人口が増えたのかというと、長子相続を原則とする儒教は支配層のものであり、一般庶民には道教があってそっちはそこまで厳密ぢゃない、というか生存競争激しい大陸において、能力が定かでない長子に全てを集約するのは危険、という考えがあるのですね。能力があっても運が悪ければ、飢饉、疫病、弾圧、戦乱、そんなものに巻き込まれて一家全滅なんてざらにある世界。ならば多くの子をなし、生存リスクを分散させて十人中一人子供が生き残ればヨシ!!みたいな考え方がある、と。そうなると平穏で天候が順調で、豊作が続く時代がくると人口過多になってしまう。土地財産を得る事が難しい人々は、漢人の生活エリアから出て、北は遊牧民たちのテリトリーでより過酷な自然環境だから、南の、温暖で比較的小規模な共同体しか形成しなくても生きていける世界に侵入し、純朴な人々を騙したりすかしたり、とにかく手段を択ばず生き抜く為に生存圏を広げた、というのがあるようです。

 今でこそ少子高齢化が急速に進み問題視されている中国ですが、それは安定期に入ったという意味ですかね。他にも先住民と漢人たちの血みどろみどろなやり取りとか現代史に関わる部分とか、台湾において日本も、その手が血で汚れていないわけぢゃないぞ。天真爛漫に先住民の生活に手を突っ込み差別した歴史が(新渡戸稲造くんとかね)あるんだぞ、って事が書いてありましたけど、中国やインドにおける人口爆発が、過酷な生活環境への生存戦略だと知って合点したのが大きかったかなぁ、と。